こんにちは!
リトリーブサイコセラピー®️心理セラピスト
草野暁世です!
 
 
昨日梅の花を抱えた女性を見かけました。
立春を迎え、まだまだ寒いなかでも、
春の匂いがプンプンしていますね。
 
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さて、今日のテーマは
「求めてもいいですか?」
というお話をしたいと思います。
 
 
 
Fさんは、20代男性。サラリーマン。
勤務態度は至って真面目。
優しく内向的で、大人しい。
仕事は黙々とひとりの世界に入ってするのが安心。
 
言葉遣いは丁寧で、人当たりがとてもよく、
気遣いもでき、職場の人達にも好かれいます。
だけど、
彼と周りの人との心のスペースの間には、
なんだか踏み込めない空気があるのです。
そう、彼は人に心が開けません。
 
そんな彼の最近の悩みは
人とのコミュニケーションが
うまくいかないということ。
彼には同じ部署で働く、
密かに気になる女性がいます。
 
優しい雰囲気の彼に
彼女も仕事を通して、なにげない会話を交わし、
お互いの事をよく話すようになりました。
 
そうしているうちに
彼のなかで、この人は分かってくれる人かも?
と感じ始めた頃から、
なぜか彼女に対しての態度がワガママになり、
冷たくなってしまいました。
彼女が話しかけても、
機嫌がわるいのかと感じるような態度。
優しかった彼とのギャップに
彼女は戸惑い始めます…
 
 
 
 
 
さて、彼のように
人とコミュニケーションをとるのが苦手な人には
こんな傾向があるかもしれません。
 
・1人の世界(自分の内側)に入りやすい
・どうせ裏切られると思っている
・感情を感じることを避けて行動する
・人と話す時、遠い目をしている
・人に頼れない、人じゃないものに頼る
・人と一定の距離がないとしんどい、逃げたくなる
・親しくなればなるほど信じられない
・人に「ごめんなさい」「ありがとう」が言えない
 
 
そう、彼のなかでは
人は自分を傷つける存在だと感じています。
 
本音は人が怖いんです。

だから無意識に彼女が受け入れてくれるか、
自分の世界を傷つけない人か確認を始めたんです。
 
こんだけ嫌な態度をとっても
こんなにひどいことしても
受け入れてくれるんですか?!
 
自分が何をしても、
相手が離れていかないかを確かめたくなる。
 
かといって
「そうなんだね。」って受け入れ優しくされたら、
「え?なんで?なんで?」と信じられない。
 
こんな自分は受け入れてもらえる存在じゃない、
愛されるような存在じゃないと感じているから。
だから、ますます嫌な態度がやめられないし、
自分のことをわかってほしい。
そこで彼女が理解に困ると、拒絶と感じ、
 
「なんでわかってくれないの?!(怒)」
 
そんな態度をとりたいわけじゃないのに、
自分から素直に求めて、
自分の認識と違っていたら惨めで辛い…
傷つく自分は自分じゃない。
もともと傷だらけの心の底は
こんな自分と思っているから。
繋がりたいからこそ、
 
傷つくのが怖い
孤独になるのが怖い
 
求めても、
もらえなかったときの絶望を
感じたくない
 
傷つきたくない一心で
素直に好きにならない。
ほんとに大丈夫?裏切らない?って
受動的に確かめる。
大事にしたい人ほど。
 
 
 
 
しかし受容してくれる人ばかりではありません。
その時は
「なんだよ、やっぱりわかってもらえない」
と関わるのをやめ、元の立ち位置に戻る。
距離を測り、求めなければ予想以上に傷つかない。
そうやって、このまま同じパターンを繰り返し、
ますます人との関わりに疲れ、
人との関わりが希薄な人生を送っていくと…
 
・関わりたい人を避けしまう
・仕事を行ったり来たりだけの生活
・楽だけど、いつも独りでどこか寂しい
・ひきこもり
・悩みは自分一人で抱え込む
・心から信頼できる人ができない
・好きな人と一緒になれない、
なっても常に孤独感が拭えない、
もしくは関係を壊してしまう
・人と表面的な関わりで終わる
 
人は独りで生きていくことはできません。
人と繋がりたいと感じているし、
誰かの心との繋がりのなかで生きていきます。

 
孤独にひとり寂しく生きていく人生
日常の景色は淡々と、心が揺さぶれることはない。
だけど、とても殺風景で、
温かな幸せを感じることもない。
 
 
 
 
 
先程のFさんはどうなったと思いますか?
 
あれから彼は
彼女を傷つけたくないのに傷つけてしまう、
近づきたいのに近づけない自分の態度に戸惑い、
自分と向き合いました。
 
彼の幼少期は
 
・親から見捨てられた経験
・母親が突然いなくなった喪失体験(離婚)
・親に身体に触れてもらうスキンシップや共感などの温かい体感、愛情を与えられなかった
・自尊心をひどく傷つけられた、人格を否定された
・過去の辛い記憶に蓋するために感情を切った
 
愛したい、愛されたいと
感じることも表現することも怖かったんです。
 
求めても、いない、いなくなった。
こんな自分だったから、
母親から見捨てられたんだ。
いてもいなくてもいい存在なんだ。
 
ほんとは傍にいて、そこにいて、
愛し愛されたかった。
わかってほしかった。
自分の成長を見守ってほしかった。
 
愛する人にされたからこそ、怖い。
 
求めることをあきらめたんです。
だけどほんとはずっと求めていた。
彼は自分のなかの深い悲しみ、絶望や
怖さと向き合い、

 
自分は愛されないダメな存在じゃないということ。
自分は受け入れてもらえる存在だということ。
 
愛し愛される存在だということ。
 
そして、
求めても応えてくれる存在がいるということ。
 

を感じることができるようになっていき、
自分のなかに安心感を育てながら、
ずっと諦めてきていたことを始めました。
 
彼女とコミュニケーションをとり、
関わるということを始めました。
 
そして、彼女が嫌なことは嫌ということや、
伝わるときがあっても伝わらないときがあっても、
それが自分に対する拒絶ではないということも
感じられるようになっていきました。
 
愛されているという体感を
定着させていっています。
 
彼女を信じられるようになってきています。
 
彼は一歩一歩、心を開くようになっていき、
見える世界が
温かく優しいものに変わってきています。
 
 
感情を本音を交わし合うということは、
うまくいかないときもきっとあります。
それでもあなたは、大事な目の前の人と
信頼関係を築きたいとわかり合いたい思いますか?
 
あなたは大事な人と
どんな関わりができたらいいと思いますか?
 
 
 
 
 
 
 
 
皆さんも暖かくして、お身体ご自愛くださいね!
それではまたー!