この報道を知ってから、なかなか言葉が見つかりませんでした。

簡単な言葉では、到底片付けられるものではなかったし、
この事件に対する発言は、それがどういった内容であっても、俳優という職業の今後にリスクになる可能性もある。
だからこの発言をすることは正直、すごく怖いです。


でも、私が私なりに言葉で発信をしなければ、世界どころか半径1メートルすら変わらない。
また、黙っているだけでは「黙認」という形で、肯定してしまうことにもなる。
その思いに至り、こうしてブログでお伝えしようと思いました。


正直に言うと、今回の加害者のような方はいらっしゃいます。
大なり小なり、このような被害にあった話を聞いたことも、友達や後輩に相談されたこともあります。
その度に、感じる耐えがたい怒り。
そして、それをどうすることもできない無力感、に、嫌気がさす日々もありました。


私自身は、今まで性暴力被害にあったことはありません。
関わった作品は、オファーをいただいたか、オーディションでお芝居をして決まりましたし、現場でも監督や技術さん、スタッフさん、共演者みなで真っ直ぐに作品を作れたと、私は思っています。

、、私が運がいいだけだったのかもしれません。


ですが、この報道により、映画業界の多くの監督が暴力を振るうなどと誤解されてしまうのはとても悲しいことです。
そして、又、それによって、
今後「映画」というものが、観者の方々に、
ほんの少しでも色眼鏡を通して見られてしまうかもしれない、という憂いは、さらにひどく哀しいことです。

どうか、作品に真摯で、素晴らしい監督がたくさんいらっしゃるということも、同時に知っていただければ嬉しいです。




振り返れば、、、
私も、今まで何もなかったわけではありません。

私の場合は映画業界ではなく、芸能業界の方々から、何度も屈辱的な言葉を浴びせられたことがあります。

地位を利用し、心に見えない傷を作る。
これも、れっきとした暴力だと感じています。

20代前後の頃は、自分を堪えることが出来ず、私の性格上、喧嘩腰でお偉い方とバトルしてしまったこともありました。
もちろん、まだまだ活動したての私が喚いたところで、物事は微動だにしませんでした。

結局のところ、そのような方々との縁は切れ、
お仕事をするまでには至っていないので、
その不器用さを悔やんだこともありました。

けれど、今は、
それで良かったのだと、思える自分がいます。


人を物のように扱う方へ媚びへつらってお仕事をしたとしても、
私の性格では、その作品を、胸を張って観者のみなさんに観て頂きたい、とお伝えすることができない。。。

そしてきっと、そんなことを繰り返していたら、今頃心が壊れて、全ての活動を辞めていたと思います。


もちろん相手が誰であろうと、喧嘩腰になるのは良くないことではありますし、
今では、静かに離れていくという対応も出来るようになりました。



まだまだ若輩の私がこれをお伝えするのは、恐縮の感もありますが、
一言だけ、言わせてください。

自分の気持ちに正直になって、
快くない方との関わりを断ったとしても、大丈夫。
今、私は笑って生きていられてるよ。

と言うこと。

もし、理不尽な申し出を断る恐怖にお悩みの方がいらっしゃったら、
ほんの少しでも届いてほしい。。


大丈夫。
断っていい。逃げていい。

口に出していい。
誰かに相談していい。

少しでも誰かに話せればまた、違うと思うのです。

もしも私の近くに居るのなら、話を聞くからね。
私が先輩達にしてもらったことを、私もして、生きたいです。


この業界だけでなく、
全ての場所で、
暴力や、理不尽な行いが減りますように。

ひとりでも多くの人が、笑えますように。

祈りながら、
恐れながら言葉にさせていただきました。

自分の意見を、皆が胸を張って言える国でありますように。

私に関わってくれている愛ある皆様、
いつもありがとうございます。


佐々木心音