日本が第二次世界大戦で敗北して、戦後には戦争責任などの問題で日本近代史というのは左翼史観や自虐史観も加わりかなり歪曲されたことはよく知られている。歴史というのは一断面だけで理解することは難しく、19世紀末からの近代日本の置かれた状況や東アジア、特に中国を中心とした東南アジアにおける西洋諸国の植民地主義や重商主義による脅威を抜きには近代日本を語れない。

 

 日本の近代史というのは、20世紀に入り西洋社会に侵略されていた東洋社会の大きな歪の中で、西洋を学んだ近代日本が初めて無謀な西洋社会に立ち向かい、そして、アジア諸国の独立を目覚めさせ、しかし、ある意味、そのために、最後には近代日本は多くの犠牲を払ったが敗れ去った歴史でもある。ただし、忘れてならないのは、19世紀末から二十世紀初めの近代東アジアを眺めてみれば、当時、日本が存在しなければ、中国も朝鮮半島も西洋列国の植民地化がされた可能性が高かった。近代中国は西洋の英国や仏国、ドイツなどに侵食され、朝鮮半島はロシアの植民地となっていた可能性が高かったのだ。

 

  その意味では、東アジアの近代史というのは、近代日本によって白人支配が限界を露呈し、そして、東洋社会の崩壊がかなり食い止められたともいえることを物語ってもいることを忘れてはいけない。

 

 では、戦後であるが、当時の世界は共産主義の台頭で東アジアは西洋社会と東洋社会という争いから思想的、政治機構的な争い(資本主義、自由主義と共産主義の争い)となり、近隣の中国や朝鮮半島はソビエト(ロシア)の台頭が著しく、朝鮮半島では朝鮮戦争が起こるなどしていたし、東南アジアでは、ベトナムなど共産主義の国々もうまれていた。

 ただし、戦後の日本というのは運よくというかアメリカの進駐だったことや、戦後の政治家たちが自由主義を是として国政をまとめたことなどもあり、19世紀末から西洋文明、特に機械文明を学んでいたことから、その恩恵などや冷戦時代の恩恵(朝鮮戦争も含む)によって、いち早く西洋化が進み、東アジアでは先頭を走り西洋に追いつくほどの高度成長を遂げた。

 そして、忘れてならないのは、戦後の日本は東アジア諸国にも、その成果を分配できるような社会が少しできたし、東アジアの近代化に対しての援助などてに対して大きな役割も果たすことができたし、東アジアの再興という面では先頭を走ることができたのである。東子アジアというのはよしにつけ悪しきにつけ言語や社会制度など、中華文明の恩恵を受けてきた。もちろん、日本は、歴史的に中華文明の恩恵を大きく受けて国として育っていったのであるが、その恩返しが少しは戦前、戦後もできたという事でもある。

 

  このような戦後の日本と東アジアの状況であったが、その後はソビエトが崩壊するなどにより世界は自由主義経済が大きく広がる中で、近年になり、アメリカや諸外国、日本の協力なども相まって、東アジアでは韓国や台湾、中国の経済発展は目覚ましく、韓国は日本を超えるような勢いであるし、中国は巨大なマーケットがあり経済的には日本を大きく超えてきている。この点は東アジアの住民で、戦後、東アジアの近代化のために先頭になり努力もしてきた日本人にとっては喜ばしいことでもあると言えるのではないだろうか。

 

  ただし、経済発展が進んだ韓国や中国というのは、おごりも台頭してきて、このような近代東アジア史というものを真摯に論議をせず、近代アジア史というのは西洋列国やロシアが東アジアに侵略したという事実を見ないで無視し、近代日本の東アジア進出だけを論じ、そして、中国や韓国は同胞ともいえる近代日本を悪として、近年は歴史を歪曲し嘘の歴史を捏造し反日行為を繰り返している。

 特に、朝鮮半島というのは韓国にしても北朝鮮にしても、本来は近代というのは中国やロシアの侵略の方が大きい(朝鮮戦争もロシアの侵略)にも関わらず、国を挙げて反日行為をあらゆる手段で行っている。そして、自国の歴史も日本の歴史も捏造している。

 

 栄枯盛衰という格言にあるように、戦後の日本は運もあり大きく発展し栄えたが、現在の日本は衰退期でもあることは間違いない。しかし、東アジアの中では、日本は最も東アジア近代史を理解し、そして、東アジアの危機にも対応できる可能性が強い。ですから、これからの日本は歴史というものを真摯に再考していく必要がある。

  というのは、日本の歴史学はまだまだ、戦前の国学の流れで最も遅れた分野で、日本史というのは、まだまだ、多くの虚偽があり、中国や韓国の二の舞いも演じる恐れがあるからだ。