7月か8月頃にショートムービーを撮ろうと思っていて、
昔の書きかけの脚本案みたいなのを見返している。
もう大体こんなのがいいな、というものは決まったのだけど書きかけの脚本案の中には全くわけのわからないものや何が書きたかったのか全然わからないものもある。
というか殆どそんなのばっかり。
今日はその中の一つを紹介したく思います。
そんなものに興味なくて仕方ないそこの貴様は興味ないくせに今まさに無駄な時間を過ごしてしまったということだな。
わたし、それ、嬉しく思います。
あ、あとどマイナー野郎が撮影するショートムービーの制作、出演に興味あるぜ、
という酔狂な輩は連絡をくれ。
bokusabukaru@gmail.com
までな。

あ、話が逸れた。
人生も大体そんなんでしょうが。

まあいい。とりあえず暇過ぎて無駄に冷蔵庫のドアを開け閉めしてるくらいなら読んでいけ。

--------------------------------------------------------------------------
『AQUOSのおっさん』

2015115日。

AQUOSのおっさんは今日もうなだれていた。

六畳一間のど真ん中で。

大阪北摂にあるくたびれ果てた外観の二階建てアパート。

玄関入って右手には仕切りもない靴箱がその老体を預けるように壁にもたれかかっていた。

左手には共同トイレと共同シャワーが設置されており、

特に男女の区切りはなかった。

その線状に3部屋。

向かいには2部屋。

それぞれの扉には強く引けば簡単に開きそうな頼りないサイズの南京錠が設置されていたが、

全くもって自意識過剰な防犯意識である。

廊下の軋む音と住人の溜息が入り混じったこのアパート、

共益費込みで23000円。

その一番左奥の部屋でAQUOSのおっさんは一人で暮らしている。

井草の香りがプンと漂うのは最近お隣さんが起こしたボヤ騒ぎのおかげだと下卑た笑顔を見せたりもしたが、

基本的におっさんは笑顔を見せなかった。

真上から見れば90度しか存在しないように配置された家具。

掃除もそれなりに行き届いていたが、

どれも極端に年式が古く清潔感とは程遠かった。


1630


この部屋には照明器具と呼べるものが一つとして存在しないため、

締め切った窓から差し込む光以外には冷蔵庫を開けた時の弱々しい明かりしか頼るものがなかった。

なのでおっさんはこのくらいの時間になると冷蔵庫のドアを90度の角度を崩さぬよう開きタバコのカートンで固定した。

タバコのカートンとは言っても中身は使い古したライターを詰め込んだもので、

「悪魔将軍編のクライマックスを彷彿とさせるんだ。」

とその説明をしてくれる時のおっさんは少し誇らしげに見えた。


「曲線は嫌いだ。」


おっさんは背中を丸めながらそう呟いた。

なおそれは物理的なものだけに限らず該当するようで、

特に聞いたわけでもないが嫌いな曲線ランキングを溜息交じりに教えてくれた。


5位ラグビーボール


ボールという存在を否定しているわけではないのだと彼は少々後ろめたそうに言った。


----------------------------------------------------------

とここまでなのだが、

この話にどんなピークとドラマが存在するのか。

というかAQUOSのおっさんという響きが気に入っただけなのだろう。

というかAQUOSのおっさん役オーディションを開催したとして、

誰がやりたがるというのだよ。


他にもよくわからないものが沢山あって、

「バンドマン違反者講習」

という話に至ってはストーリーすらなかった。

しかも結局全く新しく書いたやつで撮ることにしたし。

別にいいか。


ところでこの冒頭で流れるやつも以前撮影したショームービーの一部だよ。



撮影ごとに新機材を導入しているのだけど今回はカメラもレンズも新調したし、

あとはあれだな、

ジンバルだな。欲しいのは。

あとアレだ、人気くれ。