M-1グランプリ2025が今年も終わりました。

最終決戦はすごい戦いでしたね。


まずはネタバレアリで、1回戦から気になったコンビを振り返ってみたいと思います。


ヤーレンズ

トップバッターとは思えない堂々たる漫才でした。

二人ともすごいボケ数で早口なのに、全く噛まずに次々とヒットを決めていきます。

前回までは、コント漫才だったところをオールしゃべくり漫才に変え、ツッコミの出井さんがボケるシーンまで加え、かなりブラッシュアップされた印象でした。

最終決戦に残っても全くおかしくないのにトップバッターが不利となり、惜しくも順位は振るわずでした。


カナメストーン

敗者復活戦から見ていて、敗者〜ではぶっちぎりで面白かったです。

決勝戦のネタは、敗者〜に比べるとやや説得力に欠けたような気がしました。

しかし、二人のキャラが濃くてこれからも気になるコンビではありました。


エバース

文句なしの一位通過のネタでした。

車になりきった町田さんに乗り込んで、佐々木さんがドライブする。

という奇想天外なアイデアが斬新でした。

町田がルンバに乗って、こぼれたうまい棒

を掃除しながら進むという絵が想像できた時には、腰から崩れ落ちるくらい笑っていました。


真空ジェシカ

私は一応推しなんですけど、残念ながら今年のネタがあまりよくわからなかった…。

昨年の、大喜利を駆使したような商店街のネタが大好きだったんですが、最近は川北さんのクレイジーなキャラを活かしたネタにシフトしているようです。

毎年同じようなネタをやっていたらだめなんでしょうが、爆笑できなくて、個人的には少し寂しい気持ちになりました。


ヨネダ2000

バスケでドリブルして邪魔してきたあややに勝てるかという意味不明のリズムネタ。

ネタがどうかはさておき、やはり笑ってしまう自分がいる。

私が凄いと思ったのはネタが終わったあとも、点数に顔を重ねたり、コンビ名を間違えられた事すらネタにして、ずっとボケている誠さんがとにかくすごい。

こういうネタを書ける上、こんな振る舞いができる女性芸人はほとんどいないんじゃないかと思います。


ドンデコルテ

銀次さんの、自己啓発セミナーのような妙に説得力あるしゃべり口に一気に引きつけられました。

弱者だとしても、ここまで自分をつきつめ堂々と胸を張って笑いにできるという姿は素晴らしいと思います。


たくろう

以前ネタ番組で見たことがあって、面白いコンビだなと思ってたんですが、見た目もキャラも地味なのでそこまで印象に残らなかったんです。

しかし、流石にこの大舞台に立つと一気にハマりました。

この日のお客さんが本当によく笑うお客さんで、挙動不審な赤木さんのキャラが何かを言うたびどんどん爆笑が起こる。



最終決戦

ドンデコルテとエバースは第一回戦の時の衝撃がとにかく大きくて、最終決戦ではそれを超えることができなかったのかなと思いました。

たくろうはそれを超えてきた!

ナンシーのホームパーティーに無理やり連れて行かされて、「変な感じになったりしないかな」とオドオドする姿に、内向的な日本人の様子が重なって、めちゃくちゃ面白かったです。


優勝者会見では、きむらバンドさんは喋りもしっかりされていて平場が得意。

一方、赤木さんは挙動不審な見た目とは裏腹にネタ作りを担当していて、非常にバランスの良いコンビだなと思いました。


ただ、バッテリイズの時もそうであったように、キャラが立った漫才が優遇されていて、本当にネタ作りもしっかりしていて喋りの立つ実力のある漫才師が埋もれてしまうのは少し寂しい気がしました。


TVerで配信されていた、決勝出場後インタビューでは、

来年に向けて気持ちを切り替えている人、

ボケ倒していて素の感想がわからない人、

とにかく楽しかった人など色々いましたが、

ドンデコルテの銀次さんは

“自分たちの出番が終わったあとの組が、低い点であってほしいと願っている自分がとにかく嫌でした。”

“本当は楽しいからお笑いや漫才をやっているのに…(他人を蹴落としてまで楽しいことやるのか?)”という事を言っていた。

とにかく今の自分に正直に向きあえる人で、だからあのようなネタができたんだと非常に納得がいきました。


舞台を降りたあとの漫才師の姿もかっこいいな…。