SEKAI NO OWARIの7th Digital releaseの楽曲「Romantic」TBS系金曜ドラマ 9ボーダーの主題歌となっており、2024年5月10日に配信されました。


今回はこの「Romantic」の歌詞解説をしたいと思います。


https://youtu.be/8RzQGL3oXYE?si=Tc42QDDz5GgRVtKC



「Romantic」

作詞 Fukase 作曲 Nakajin 


[魔法が解けてどれくらい

前はどう見えてた?この世界
優しい嘘で包んでよ
春が来るって誰かが]

[解説]

ドラマを最終回まで見た者として「Romantic」の歌詞はドラマの内容に沿った歌詞をしていた事が分かりました。

春夏秋冬を通じて主人公の気持ちの変化が現れる物語のような歌詞になっています。歌い始めのサビの部分では主人公が今まで見てきた『ロマンチック』という魔法が溶けてしまったところから始まります。豆知識ですが、セカオワの他楽曲「RAIN」の始まりでは[魔法はいつか溶けると僕らは知ってる]となっています。楽曲同士でこのような繋がりがあるとリスナーは聴いてて好奇心が湧きますね🍀*゜

魔法が溶けてしまった主人公は"春"。俗に"春"というのは"恋"や"新たな出会い"を示しますね。ここではどちらの意味でも春が来ていないことがわかります。現実を知ってしまった主人公は新しい風が吹かれるのか不安になりながらもまだ少しの希望を抱いてることが伺えます。



[止まない雨は無いとか

明けない夜は無いだとか
逆も然りなんでしょ
いつも同じ

太陽が昇ったように
朝が来たように見えたけど
私たちが自転をしただけなのよね]


[解説]

ここではやはり現実を知ってしまった主人公が『ロマンチック』な情景に反論しています。今までは太陽が昇ってきてくれたようにみえていた世界ですが、今では自分自身が動いただけであって太陽が迎えにきてくれたわけじゃない。そんなロマンチックな世界では無かった。という落胆な気持ちを表しています。


[幸せが何かなんて笑わせないで
それはセロトニンよ
だって生活は幸せで溢れていて
それを感じられるかだけ]

[解説]

幸せは何か。それはセロトニン。セロトニンというのは所謂『幸せホルモン』の事です。大人になってしまった主人公が甘い情緒や空想ではなく、科学的な物質を幸せと定義します。



[春が来るなんて言うから
また期待しちゃったみたい
肌寒いこの春服が
やけに陽気で私みたい]

[解説]

サビの部分です。AメロBメロでは浪漫なんてと蔑んでいた主人公ですが、まだ来ていない季節としての春ですが、一足先に着られて春を待ち遠しくなっている春服が(擬人法)主人公の私のようだわと、皮肉にもロマンチックな表現をしています。このことからまだ、浪漫は忘れていないことが伺えます。



[今この瞬間は

一度しかない奇跡だって?

そんな詭弁はいいから

もっと分かり易くして]


[解説]
2番ではロマンチックと向き合って理解しようとする試みが伺えます。


[白馬の王子様なんて

ダサいしキザだわ

それにご立派なのはご両親ね

私、だいぶ末期かも


[解説]

白馬の王子様は家系が王族家なだけで、本人は別に凄くない。それに気取っててキザな人。そんな事を考えてしまう私は人生末期かもしれない。自虐をするようになってしまいます。ここの歌詞ではセカオワ史上かなり遊んでいる所ではないかと思います。深瀬さんのワードセンスが光っているところですね。



[夏が来るなんて言うけれど
期待なんかしてないわ
背伸びしたこの夏服が
なんでか本当の私みたい]

[解説]

季節が進んで夏を目前に主人公は段々と自分と向き合えるようになってきます。背伸びして着られた夏服が本当の主人公の気持ちを写しています。本当は夏に期待しているのです。

[聖なる夜よ ちょっと聞いて
別に多くは求めてないの
もうフィンランドのおじさんでも良いわ
私良い子にしてたよ]

[解説]

ここで主人公はついにロマンチックに気持ちが折れてしまいます。かつての私のように。クリスマスのお願いという浪漫溢れる行いで魔法を取り戻します。次のラストのサビでこの物語が完結します。



[冬が来るなんて言うけれど
まだ秋服のままの私
温かい君の冬服が
私、案外チョロいみたい]


[解説]

今までだったら先走って冬服を着ていただろう主人公がまだ秋服のままでいる。その理由は心の変化です。"幸せ"を手に入れることができた主人公は、ここで初めてでてくる『君』のお陰で背伸びをしなくてよくなったというお話です。最後には幸せを手に入れられて、この魔法が溶けた世界で希望を見失った主人公でしたが、主人公の思考を変えさせてくれた人に出会ったことでこんなに変わることも出来るのかということを教わりました。




まとめ

この最後の小説はドラマ「9ボーダー」の最終話と同じシチュエーションがあり、総じてドラマと一体感のある主題歌を務めていました。「9ボーダー」では毎話ごとにSEKAI NO OWARIの楽曲が使用されていてその度にネットでは盛り上がりを見せました。是非観ていない方がいらっしゃいましたら、サブスクリプションで配信されているのでチェックしてみて下さい!!