エジプト考古学博物館2階に展示されている第3中間期第21王朝のアモン大神官ファミリーの棺達。 

 

今回ご紹介するのは・・・ 

 

この方♪

・・・ではなく・・・
(ちなみにこの方は新王国時代第17王朝のセクエンラー・タア(2世)の妃の、イアフホテプさんです。) 

 

ネネちゃんこと、ネシタネベトイシェルさん。 

 

ネネちゃんはパパのお隣にいます。
(そしてパパよりも大きい~。)

 

ネネちゃんのパパはパネジェム2世。
パパ、イケメンです~。

エジプト考古学博物館~美しいパネジェム2世の棺~
この記事でもネネちゃんについて書いています。 

 

そしてママはスメンデス2世の娘で、パネジェム2世の姪にあたるネシコンス。
エジプト考古学博物館~第21王朝のネシコンスについて~

美男美女カップルの間に生まれた娘のネネちゃん。
きっとパパとママ同様、可愛い女性だったのでしょうね。

 

そしてネネちゃんの夫のジェドプタハイウエフアンク。

ジェドプタハイウエフアンクの棺は、ネネちゃんの棺とは離れた場所に展示されているので、ちょっと寂しそう? 

 

毎度お馴染みのファミリーツリー。
今回の記事の主人公のネネちゃんに赤丸を付けています。 

 

ネネちゃんのヒエログリフはこちら。

ネシタネベトイシェルの名前の意味は「イシェルに属する女主人」
イシェルとはカルナック神殿に近いムート神殿にある、三日月型の聖なる池の事です。

参照:Nesitanebetashru(ヒエログリフの画像もこちらからお借りしました。) 

 

イシェルと呼ばれた聖なる池。

この写真だとその形が分かりにくいですが、上空から見た写真はこちら。 

このイシェルのあるムート神殿を以前メインブログでご紹介しています。

カルナック神殿おまけ・ムート神殿

 

ネネちゃんのウィキペディアを見ると、デルエルバハリのロイヤルカシェ(TT320)で発見された、ネネちゃんの棺とシャブティ、ミイラは現在エジプト考古学博物館に収蔵されていると記載されていますが、11月に訪れた際ネネちゃんのミイラはなく、パパ&ママ、そして夫のミイラしか見る事はできませんでした。

シャブティはどこに展示されているのかなー。 

 

大好きなパパのお隣で嬉しそうなネネちゃん。

 

ネネちゃんは日本で人気のあのメジェド様が描かれている、有名なグリーンフィールドパピルスの持ち主。 

 

 

ネネちゃんとグリーンフィールドパピルスについては、bastetさんの記事でも紹介されています。
bastetさんの記事:メジェド様で有名になった世界最長のパピルスの持ち主 

そしてこんなのも発見。
Full text of "The Greenfield papyrus in the British Museum"

 

おおーーー、これはすごいかも!
ヒエログリフとその解説が書かれています。(ドキドキ)

この本によると、ネネちゃんのタイトルはアモン・ラーの女性神官と書かれていました。

パピルスに書かれたネネちゃんのお名前はこちら。 

「オシリス、ネシタネベトイシェル、ネシコンスの娘」と書いてあります。

 

この銅製の容器はロンドンのピートリー博物館所蔵。 

 

そしてネネちゃんのシャブティ。
博物館にあると思うのですが、小さくてどれがネネちゃんのか分からない~。
博物館のシャブティには番号が振ってあったので、ネネちゃんのシャブティの番号が分かればな~。
 
ネネちゃんのミイラのお顔の写真は何枚かありましたが、スカーフを被っているみたいなこのお顔が1番可愛かったので、この写真を選びました。
上4枚の画像はこちらからお借りしたものです。
 
追記:ネネちゃんのウシャブティの情報を探していたらキレイな画像を発見しました。
The Virtual Egyptian Museum ~Shawabti of Nesitanebashru, 965 BC~

このサイトによると、ネネちゃんのタイトルは、上で書いたアモンラーの女性神官以外に
「イプゥ(アクミーム)の主人ミンの預言者」
「アビドスの主人オシリスの預言者」
「貴婦人達の女性長」
「アモンのハーレムの偉大な女性長」
とありました。
 
またネネちゃんが亡くなったのは、シアモンの治世13年(965B.C.)だそうで、
サイトによるとDating:988BC-965BCと書いてあったので、わずか23歳の若さで亡くなったみたいです。

 

ネネちゃんの棺(の蓋)は全体が炭化して?黒くなっています。

でもお顔の部分は無事で良かった~。

 

ネネちゃんの棺が黒くなっている理由などについて、
bastetさんのブログ記事:第21王朝の棺と顔料について
 
こちらのブログでも書かれていますが、ツタンカーメンの棺もそうでしたが、大量に掛けた香油(樹脂)が固まってこんな風になってしまったのでは。 

 

棺を間近に良く見ると、元々の下地の色が見えています。

これ、この黒い部分を上手く取り除く事はできないのでしょうか。。。

 

玉座に座る神様や翼を広げる女神の姿、アンクやネブなどの文字がうっすらと見えます。

棺の色はパパやママ、他の21王朝の棺と同じ山吹色をしていたみたいですね。

 

玉座に座る神様達と、真ん中に太陽円盤を掲げたケプリの姿が。 

 

翼のあるスカラベも。

ネネちゃんの棺は他の棺に比べて大きいので、オリジナルの色彩が残っていたらさぞかし存在感のある美しい棺だったのでしょうね。

 

ネネちゃんの棺本体はこちら。

壁際に3段のケースの真ん中に展示されています。
 

棺の蓋部分同様、棺本体も黒く変色しています。

 

棺本体の説明。

シンプルにネシタネブアシェルの外側と内側の棺。
(材質)シカモアイチジクの木、テーベと書かれているだけです。

 

ネネちゃんの下の段の棺。

 

こちらはネネちゃんの祖父のメンケプルラーの母違いの姉妹のマアトカーラーのもの。

で、3段ある展示ケースの1番上の段ですが、多分ネネちゃんのパパのパネジェム2世のかなーって思っていたものの、私の身長(162センチ)では、思いっきり手を伸ばしても手が届かず、説明が見られませんでした。。。

でも11月に訪れた時に背の高いMallowさんと一緒だったので、「1番上の棺の説明、撮って~」ってお願いしたら、1番上の棺は、やっぱりパネジェム2世でした♪

 

Mallowさん撮影の3つの棺。

 

これが私では手が届かず撮影できなかったパネジェム2世の棺。

mallowさん、その節はありがとうございましたラブ

 

そして私が背伸びしてもダメだった説明書き。
Pinstem2世って誰?笑

念の為そんな名前の人がいるのかも?と思ってネットで検索してみましたが、ヒットしなかったのでパネジェム2世で間違いないと思います。

ちなみに先程ご紹介のグリーンフィールドパピルスの解説本でも、パネジェム(Pinedjem)はpainetchemに、ネシコンス(Nesikhons)はNesikehnsuと書かれていたので、昔はこんな風に表記されていたみたいですね。

ネネちゃんについては、また新しい情報を見つけたら追記したいと思います。