猫好きな方向けの記事~三毛猫黒猫オッドアイ猫猫

 

古代エジプトでは様々な動物たちが神として信仰されてきましたが、現代同様、犬や猫はペットとしても可愛がられていました。

エジプト考古学博物館には、そんな動物たちのミイラが展示されている展示室があります。

 

丁寧にミイラにされた古代の猫達。古代エジプト語で猫は【ミィウ】と言いました。

元々猫はネズミなどの害獣を狩る事から、家庭で保存している穀物や食料を食べ荒らされないようにと、野生の猫を飼いならしていった歴史がありますが、一緒に生活するうちに猫本来の持つ愛らしさ、そして心を通じ合い、癒してくれる人間のパートナーとして、古代エジプトの人々も猫の魅力に魅せられていったという事が、この博物館の猫達の姿から窺う事ができます。

 

ミイラは写真の様な様々なデザインの猫型の棺に納められ、手厚く葬られました。

左の2匹の猫ちゃん達は黒猫ちゃんだったのでしょうか。
私の家にも可愛い黒猫ちゃんがいるので、親近感を覚えます。
猫達に永遠の命が与えられ、来世での幸せを願う飼い主の気持ちが溢れて伝わってきます。

 

みんな、人間にたくさん愛されて幸せだった、そんな表情をしている様に見えます。
きっときっと、みんな、優しい飼い主さんと来世で再会して幸せに暮らしているんでしょうね。

 

そして、とっても感動したペットの猫の棺のレリーフ。

 

この猫はアモンホテプ3世の息子ジェフティメス(トトメス)王子に飼われていた猫だそうです。

 

棺には名前が刻まれていますが、ヒエログリフによるとこの猫ちゃんの名前はミイトちゃんの様です。語尾にtが付いているので、この猫ちゃんは女の子。

 

ミイトちゃんは首に可愛いマフラーを巻いてもらっています。
リボンかとも思ったのですが、ふさふさ(フリンジ)がついているので、マフラーかショールですよね。もしかして冬に亡くなったから、寒くない様にマフラーをしてもらっているのでしょうか。

 

そしてミィトちゃんの前にはお供え物が供えられ、キレイな蓮の花や、飲み物(ミルクかな)の入った壷、鳥(ガチョウでしょうか)の丸焼き、(恐らく)パン?、容器に盛られた食べ物など、ミィトちゃんが来世でもお腹が空く事がなく、喉も潤す事が出来る様にと言う、飼い主さんの気持ちが込められています。

お墓の前に花を供える気持ちも、古代と現代、変わらないですね・・・。うるうる。

動物を愛する気持ちは何千年もの時を越えても、普遍なもの、そんな古代の人々が身近に感じられて、胸がいっぱいになります。

 

ちなみに猫の古代エジプト語はミィウですが、犬はアウ(イウ)、アウアウ(イウイウ)と言い、猫も犬も鳴き声から名前がつけられているんです。
日本語の幼児言葉でも、猫を【ニャンニャン】、犬を【ワンワン】と呼ぶのと同じですね。
※松本弥さんの古代エジプト文字手帳から

 

動物のミイラが展示してある部屋には、他にも犬のミイラやヒヒのミイラなど、ペットとして飼われていたと思われる動物たちがいます。

人間達から神として崇められたり、家族の一員として可愛がられ愛された動物達。
動物好きな方には是非見て欲しいと思います。