何年も前に一目見て、わっ可愛いっ て目がハートになったのに、
その瞬間から、何故か毛嫌いが始まった
人間アレルギーってやつだ
そしてこれまた何故だか「頭悪そっ」て決め付けた
だってさ、
いつも松ぼっくりかぶったみたいな頭で、
ガム噛みながら軟体動物みたいにくねくねしてるから、
華奢な体つきが余計強調されちゃって、
女の子のようで、気持ちわ・・・(以下自粛)
画面の向こうからじっと見てくるアーモンド型の潤んだ目が、
払い除けても払い除けても、
ヌメっとまとわりついてくるのが、どうにもこうにも・・・(以下自粛)
ペットなら滅茶苦茶可愛いけど人間の男だからさ、なんせ
しかし、
拒否したくても、
お気に入りと共演したり対談したりすると、
どうしたって目に入ってくる
そのうちに、少しずつ、イメージが変わっていった
私のイメージだけでなく、
実際、彼自身、少年から青年になり、
男の子か女の子かわけわからんようなくにゃっとした雰囲気はかなり消えた
それで、何年もかかってやっと最近アレルギーがなくなった
アレルギーがなくなってみれば、
いまや彼は「見ていたい役者」のひとりなのだ
そもそも、悪いイメージのほとんどが誤解だったし
でも、いつもなんだかほろ酔い加減のような不思議な存在感は変わらない
相変わらず、目は潤んだままだし
目だけじゃなく、存在自体が、しっとり濡れている
濡れてるなんてもんじゃないね「濡れそぼってる」って感じだ
ブラックスーツとハットでポーズをつけたりダンスしてる様は、宝塚の男役のよう
女性であることが残念なくらい素敵なのが宝塚の男役なら、
彼は、男性なのが惜しいと思わせるほど、宝塚の男役然としている
そ、いちいちパラドキシカルな匂いを放つとこも魅力的
前半で毒吐いてるので、名前は伏せたままにしておくけど、
彼が綾○はる△と共演してる、現在公開中の映画を観てきた
はるかちゃんも、私の好きな役者のひとり
健康的でけなげで愛らしいだけの綾○は△かには興味なかったが、
「白夜行」の黒いはるかを見ていっぺんにファンになった
以来、黒いはるかの残像が私の頭に住み着いているので、
どんなにいい子ちゃんの役をやろうとも、
脳内の黒いはるかとうまいことブレンドされて、いい感じになるのだ
試写を見た映画通の芸能人が、
「珍しく、感じの悪い○瀬は△かに会えるよ」 とテレビで言っていたので、
かなり期待して行ったが、その点に関しては期待外れだった
(その人は「白夜行」を見てないんだろか??)
しかし、昏睡状態の人間の意識の中に入っていくってはなしは、
切なくもあり、恐ろしくもある
実際、現在の医学でも、
脳の中の像を読み取ることが可能になりつつあるというから、驚愕だ
人の頭の中や心の中は、見えなくていい
人がこっそり思ってることや、ひっそり心に秘めてることを、
覗かれるのも覗くのも、苦痛だ
たとえ、客観的にみて誰もがそれを望むであろう悲惨な状況においても、
そこは、あきらめるべきではないのか
そう思うのは、
家族の日記や携帯をこっそり見ようと、これっぽっちも思わない私だからだろか