第5593号 「オレオレ」・・・
~三重県の中部・亀山市に住む75歳の女性が、自宅にかかってきた電話に出た。
相手の男は「オレオレ」・・・。そして・・・「携帯が壊れたので、会社の携帯を使っている」
「古いので、声がちょっと違うかも知れない。それに風邪を引いてしまって」
「1年前から会社の女性と不倫関係にあったが、旦那にバレて金を吹きかけられている」
「200万円で話をつけた。100万円はあるので、あと100万円を何とかしてくれないかな」
「ATMで50万円ずつ引き出して」ー「お金を取りに行きたいけど、示談金の話で弁護士事務所に行かなくては」
「知り合いの息子が多度(三重県の北部)に住んでいるので、その人が受け取りに行く」
「養老線(桑名~岐阜・大垣など)の『下野代』の駅まで持って来て・・・」
「100万円を新聞紙に包んで、菓子折り、桑名の安永餅がいいかな。買って一緒に持って来て」
名古屋に住む息子の一大事!・・・すっかり信じた女性は『息子』の言う通りに・・・
指定された駅は無人駅で1、2人下りるが下りないくらいの田舎駅。女性が行くと、若い男(受け子)が待ち構えていた。お金と菓子折りを渡した。
男はさっさといなくなった。亀山に帰らなくてはいけない。待った電車に乗った。
途中、『どうも騙されたかなア~』。着いた桑名駅で、家に電話すると、出た夫が「警察に電話しろ」~
ー通報を受けた警察は防犯カメラから、受け子がタクシーに乗ったことが分かった。
タクシー会社で調べると、桑名駅近くのコンビニ前で降ろしたことが判明。その後、タクシーを呼び、四日市駅前のまんが喫茶まで行った。
そして・・・まんが喫茶にいたところを逮捕ー 男は既に、桑名駅近くのコンビニ裏の公園のトイレに現金の入った紙袋を置いており、金は持っていなかった・・・
ー「会社の女性を妊娠させた」という同様の『オレオレ詐欺』がこのところ目立っている。
70歳代には「息子」、80歳代には「孫」、をかたる。被害額はそれぞれ250万~350万。600万円の場合もあったー
ーーこうした特殊詐欺の被害額は全国で昨年、411億2000万円ーー
=三重県警察本部=