フランスの2倍以上働く日本の男性労働者、 #メーデー 130年来の8時間労働制をも葬り去る高プロ | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 きょう5月1日は労働者の日“メーデー”です。メーデーは労働時間を8時間に短縮するとともに賃金を据え置く、つまり労働時間短縮による実質的な賃上げを求める運動を毎年5月1日に全米で行うことを1884年に決めたのが始まりです。1日12時間から14時間労働が当たり前だった当時、「第1の8時間は仕事のために、第2の8時間は休息のために、そして残りの8時間は俺たちの好きなことのために」を目標にメーデーは行われたのです。

 こうした労働者のたたかいによって、たとえばドイツでは、1日10時間を超えて働くことは法律で禁止されています。また6カ月間の平均で1日8時間を超えて働くことが法律で禁止されています。年間30日の有給休暇を100%消化し、祝日と土日を加えると、1年の4割、約150日は大半の労働者が休んでいます。その上、ドイツの経済は好調で、労働者1人当たりの労働生産性は日本を5割近く上回っているのです。

 ところが、日本では平均の有給休暇支給日数20日に対して消化日数は10日で、消化率は50%と世界最下位です。そして、日本は▼下のグラフにあるように労働時間が増えています。

 



 国際比較すると、▼下のグラフにあるように、週49時間以上の長時間労働者の割合が日本は突出して多くなっています。

 



 ▼下のグラフはOECDデータによる、年間で休日を含む1日平均の男性の労働時間の国際比較です。日本の男性の労働時間はフランスの2倍以上になっています。(※日本は男女トータルの平均労働時間で世界一長くなっています)

 


 ▼下のグラフは同OECDデータによる男性の家事労働時間です。日本の男性の家事労働時間は世界一短く、フランスの7分の1、OECD28カ国平均の5分の1です。

 



 ▼下のグラフは同OECDデータによる労働者の睡眠時間です。日本はOECD28カ国平均より1時間以上も睡眠時間が短くなっています。

 



 労働時間が最も長く、睡眠時間は最も短いので必然と言えるでしょうが、▼下のグラフにあるように、日本では過労死が増え続けています。安倍政権は8時間労働を葬り去り残業代ゼロ・過労死促進となる高プロを含む「働き方改革一括法案」の審議を強行しましたが、これ以上、過労死を増やす「働き方改革一括法案」を強行することは許されません。(※参照→佐々木亮弁護士・ブラック企業被害対策弁護団代表「高プロ制度は地獄の入り口 ~ High-pro systm is the gate to hell~」

 



 次に賃金を見てみましょう。

 ▼下のグラフにあるように、安倍政権で賃金は16万円も減っています。一方、大企業の内部留保は過去最高を更新し続けています。

 



 ▼下のグラフにあるように、大企業の役員報酬額は1.8倍も増加しています。

 



 ところが、▼下のグラフにあるように、大企業の労働者の賃金も労働分配率も低下しているのです。

 



 そして、▼下のグラフにあるように、安倍政権下で非正規労働者数・率とも過去最高となり、ワーキングプアは史上最多となっています。

 



 ▼実質賃金も▼家計消費も安倍政権下で最低になっています。

 

 



 また、安倍政権下で▼日本のジェンダーギャップ指数は過去最低となり、▼日本の女性の所得は男性の半分しかありません。

 



 上記で紹介した数字が積み重なった結果、▼安倍政権の5年間で、貯蓄ゼロ世帯数は401.2万世帯も増加し(割合のポイントは7.4ポイントも増加)、逆に富裕層上位40人の資産は2倍と倍増しています。そして、日本において富裕層上位40人の資産が半分の世帯(2,607万世帯)の資産と同じになってしまっているのです。


 そして、▼下のグラフにあるように、安倍政権5年の激増ベスト3は富裕層資産・大企業役員報酬・自民党への献金、労働者には非正規化・賃下げ・貧困・過労死、自民党が選挙に勝って得するのは富裕層と大企業役員だけです。

 



(井上伸)