イスタンブールでは5/16〜6/14が断食月、ラマザンである。

自分が断食するわけではないが、

初めて迎えるラマザンは、どんな感じなんだろうと

ずっと思っていた。

 

実際のところ、目にする日常風景は変わらない。

 

 

フードコートもレストランもカフェも

普通に開いていて、

そこで普通に人がご飯を食べている。

 

でも、いつもよりは空いている。

 

 

 

本当にこれが断食月なんだろうか、

イスタンブールは都会だし、

宗教心も薄そうだし、

断食してる人って

ものすごく少ないのではないかと

思ってしまう。

 

 

しかし実際、身の回りのトルコ人に

直接話を聞いてみると、

けっこう断食してる人がいるのだ。

 

例えば、

某日本企業の駐在員専属の運転手さんたち、

幼稚園の親子教室に来ていた女性、

公園で会った、孫を連れた女性、

毎週金曜日に行く青空市場の魚屋のおじさん。

 

今習っている

トルコ語の先生の旦那さんも断食しているとのことだ。

 

見えていないだけで実際にはいるのだ。

 

 

 

 

ちなみに、私の理解では、

日の出から日没まで一切飲まず食わずだと

思っていた。

 

なので、例えば6/10のイスタンブールは

日の出が5:25、日没が20:42

なので、断食は朝の5:25から始まるものだと思っていた。

 

しかし、実際は、

日の出よりも前に断食が始まっているようなのだ。

 

 

写真のように、

ラマザンのタイムスケジュールのようなものがあって、

そこにはお祈りの時間や日の出と日の入時刻が

記されている。

 

そして肝心の断食開始は、

「imsak」と呼ばれる時刻なのだそうだ。

 

なんと、どの日も3時台!!

 

6/10のimsakは3:26なので、

3:26から20:42まで断食なのだ!

 

17時間近くも飲まず食わずだなんて、

みんな脱水症状にならないのだろうか。

 

こまめに水分補給をしましょう、

みたいなフレーズを

しょっちゅう耳する日本とは大違いだ!

 

しかも、断食をしている人は、

断食開始時間までに起きて朝食を

済ませないといけない。

 

ということは3時には起きて

朝ごはんを食べて水分補給も

充分にしておかなければいけないだろう。

 

どんなに過酷だろうか!

 

しかし、断食は辛くないのかと

尋ねてみると、

誰に聞いても、

最初の3〜4日は辛いけど、

それを過ぎると平気だ、と言う。

 

すごい。

なぜ耐えられるのだろう。

 

特に、

今のイスタンブールはもう夏のように暑く、

日中は30度近くまで上がる時もある。

 

そんな中で、水も飲まずにいるなんて。

 

まるで修行のようだ。

 

毎年、一か月もの間。

それに耐えられるなんて、

悟りの境地に達しているのではないか。

 

 

 

しかし、聞くところによると、

この時期、人々は怒りっぽくなったり、

交通事故も増えているようだ。

 

やはり喉も乾くしお腹も空くから、

イライラする人も多いのだろう。

 

 

ちなみに、断食する意義は、

貧しい人の気持ちを理解し、慈悲の心を養う、

ということだそうだ。

 

また、断食することにより

胃などの臓器を休ませることができ、

健康になる、

という効果もあるらしい。

 

さらには、戦争などで食べ物がなくなった場合に備え、

食べられない、飲めないことに

体を慣らすトレーニングという

意味合いもあるらしい。

 

 

そんな意義深い断食も、

今週で終わる。

 

終わった翌日からは、バイラムという

連休が四日間ある。

 

日本のGWのように、

学校も仕事も休みになるため、

多くのトルコ人が旅行に出かけ、

イスタンブールのような大都会も

静かになるらしい。

 

 

 

それから最後に一つ疑問が残る。

地理の教科書でも日本の新聞でも、

断食月は「ラマダン」と表記されていたが、

トルコではRamazan(ラマザン)と呼ばれている。

 

「地球の歩き方」にも「ラマザン」と書いてある。

 

なぜ日本では「ラマダン」と

呼ばれているのだろう。

 

他のアラブ諸国では「ラマダン」なのだろうか・・・