「やっぱ、いいよ。夕方に神社に行くもんじゃない」

「何言ってんの、まだ15時だよ」

妹とおでかけした日曜日。

コスモス祭りが15時までと書いてたわりに

意外に早く店じまいしてたから

15時も大幅に回ってると勘違いしたのか。

「稲荷神社にお参りに行きたい」

事故に遭った後なので、弱気になってるのか

妹んちに迎えに行くと、そう言ってたので

懐かしのお稲荷さんに寄ってみた。

「綺麗になってるね」

小さい頃は学校の遠足で、必ず行ってたお稲荷さん。

「キツネの顔が怖かったんだよね～」

そう感じてた阿吽のキツネも

今見れば、愛嬌たっぷり♡

「こっちに夜鳴き石があったよね？」

この石もこんなに小さかったかなぁ？

もっと大きくて不気味に感じていたのが懐かしい。

この石は、赤ちゃんの夜鳴きを収めてくれる言い伝えがあるんだって。

「全部お参りしてみよう」

２人そろってお参りすることもないので

夜鳴き石のところから順に

境内に鎮座するお社をお参りすることにした。

夜鳴き石

「小銭出しておこう」

財布を開けるものの、100円玉を避ける姉妹って（笑）

それ以外の小銭を、ありったけ片手に握りしめ、

お参りすれば、手が叩けんやん。

ポッケに押し込み、いさ！

連なる朱鳥居の手前には

「鎮座1200年」の文字。

お稲荷さん、小さい頃からずっとここに在るから

気にもしたことなかったけど、そんなに長い間

この土地を見守ってくれてたんだ…。

「この鳥居、小さい頃怖かったんだよね」

朱鳥居をくぐりながら、つぶやく。

そうそう、上り詰めたところのお社が

これまた真っ赤で、そんでもってキツネさんが怖くって。

…今は何ともないんだけど

小さい頃は、なんだってあんなに怖かったんだろう。

鳥居の奥のお稲荷さんも、柏手を叩いて拝んどく。

「お酒、好きなんだね」

ズラリと並ぶお供えに、

「ビールだったら、一緒に乾杯できるのに」

と、意味もないコト言って、ふと壁を見る。

小っちゃいキツネは、おみくじ♡

『鳥居一基296,000円』。

（ひょっとしたら269,000円だったかも？）

「奥さん、二基で50万にしとくけど、どうだい？」

「それなら、ねーちゃんと一基ずつにする？」

「いらんわぃ」

「車代にお金かかるもんね」

これまた、しょうもないこと言いながら階段を下りる。

上っても下りても、妹は取り立てて辛そうな感じはない。

…ホントに何ともなくて良かった。

妹って、今までにも「もらい事故」ってあるのよね。

交差点で停車中の玉突き事故も、２回。

どちらも真ん中で、めっちゃ被害者なわりに

たいしたケガも無い。

きっと、守ってくれてる「何か」が居るんだと思う。

ご先祖様か、はたまた神さまか？

「何」であれ、ありがとうございます。

グルリと境内を周ると、大きな杉の木の鳥居？

「奥は何だろ」

「お札を返すところよ」

アンタ、良く知ってるね。

「あっちの宝物殿は…」

「知ってる知ってる、九尾のキツネの尻尾」

「見たことある？」

「あるある！」

何年か一度、宝物殿が開く時があって

わざわざ見に行ったあの時は、やっぱり不気味に感じたけど

あの尻尾には、凄い「霊力」があるんだそう。

ひょっとして妹が大怪我しないのは、その九尾の…？

こちらにもお酒♡

一回りして、奉納金って言うのかな？

神社さんに寄付した人の名前であろう。

境内の脇に、ずらりと並ぶ名前を見てたら

一番上の段に、おとーサンの会社とkokkoの会社の社長の名前！？

しかも、なんと隣同士に並んでるー！！

…仲良しか(笑)

「1番上が高額寄付なんやろね」

2人して下世話な会話(笑)

見ていると、懐かしい同級生の名前もチラホラ。

「お父さんの名前あるかな？」

父の名前を探す姉妹。

当然のように、一番下の段に目をやっていたことは

実家の父には内緒にしておいた(笑)

稲荷神社にお参り♪