~ 待ち合わせ ~ | ~ 風の想い ~

~ 風の想い ~

    大切なものは 想う気持ち・・・ 


立ち寄った改札前のブックショップ

あなたをやっぱり探してる

ここで

思い出を数えるなんて

あの頃は思ってもみなかった



なかなか現れないあなたを

何冊もの雑誌をめくりながら

待っていた

だけどそれで

嫌いになったわけじゃ

なかったんだよ



のんびりやさんで

あまりにもマイペースで

せっかちな私が

ちょっとした勘違いで

付き合ったことを

友達は笑ったけど



私には無いものを

持ってる人だって

直感したから

あり得ない組み合わせは

実現したんだ



あなたは優しかった

そう

そばにいると

いつも柔らかな風が生まれて

その風に包まれて過ごせた


今になってわかること

その風がどれほど

心地よいものだったか

あなたに

愛されていたんだね



よれよれのシャツも

汚れたスニーカーも

あなたらしいと思えば

許せたのに


今になってわかること

外見ばかりを気にしてた

あなたは一度だって

怒ったことなかったのにね




薄っぺらい文庫本を

ズボンのポケットに

必ず入れていて

私に貸してくれると

また新しい本を探してた


本を読まなかった私に

きっと

いいこと見つかるから

そういって手渡してくれてた

新しい世界

あなたが与えてくれた



なぜ

さよならを言ったのか

今はもう覚えてない

「上手くいくわけないよね」

友達の冗談が

本当になった

それだけのこと



「上手くいかないわけがない」

そう言えばよかったと

後悔してる

あなたを嫌いになる理由なんて

本当は

どこにも無くて


あなたといることが

一番

私らしくいられた

わかっていたのにね


いつか

またこの場所で

あなたに出会えると

今は信じて待ってる


もう雑誌は読んでないよ

その代わり

今度は私が

お薦めの本を渡す番


カバンの中には

一冊の文庫本


ねえ

この本は

まだ読んでないでしょ?