軽い風邪をひいた。秋服と春服の違いがいまいちわからないまま、今年も半袖に腕を通す。西武ライオンズが弱い。5月になった。
真夏のような時間と、体を芯から冷やす雨の日々の間、心と体のバランスをとるのはなかなかに至難の技だ。心と体の距離がいつでも同じなら、ここまで苦労をすることもないのだろう。
一度壊れてしまったものは元には戻らない。それでも追いかけてしまう自分がいる。いつだってアイデンティティと執着の間で揺れている。
不確かなものほど、説得力があるのはなぜだろう。変わりたい自分と、変わってしまうことへの恐怖と。最終的には、そこにあるのは優しさだと信じたい。
音楽で失ったものは、音楽で取り戻すしかない。たいして弾けもしないギターを鳴らす。曲が生まれる。その時だけ、少し救われたような気がする。
毎日鉛のように重たい体と、高熱にうなされた日の夢みたいな頭の中、いっそ全て忘れてくれとまでは言わないが、これも社会の一部だとわかってほしい苦しさ。
結局最後は人。優しい人でありたい。この胸の痛みはきっと祈りだろう。