安藤サクラさんが主演の映画です。

 

離婚して親元に戻り、そこで父親が亡くなったあたりから

ストーリーが始まります。

 

 

女性はシングルマザーとして再出発するために実家に戻り、

母親と生活しながら一人息子を育てています。

実はその一人息子には弟がいたのですが、

病気のために幼くして亡くなってしまったのです。

 

女性は、実家の文房具店を時折訪れる、

地元の仕事に申し込んで他の地域からやってきた男性と

親しくなります。

やがて、再婚にいたります。

幸せな家庭生活のように思えましたが、

夫が仕事中になくなりました。

 

付き合いの無かった彼の家族がやってきて、

夫はどうも偽名を使っていたことが判明し、

弁護士に依頼して、彼が誰なのかを探すことにしました。

 

 

さて、ネタバレになりますが、

彼は自分の出自を変えたかった、という事情が

その背後にはありました。

彼自身に問題があったのではなく、

彼の家族に問題があり、そのことがついてまわるのです。

彼は「自分は自分」と振り切れるほど強い人間ではなく、

悪いことをしたいということではなく、

ただただ、それまでの自分の人生を忘れて、

生きていきたかっただけなのだと思います。

 

しかも同様に思う人が他にもいたからこそ、

戸籍を交換することができた、ということなのでしょう。

その相手のことは

詳細がストーリーでは明らかになっていませんが、

事情を抱えた人たちが私たちの周囲にはいるのだ、

ということかと思います。

 

生きていくというのは、

極普通に生きていても、結構大変なことは多いのです。

最近「親ガチャ」という言葉が

使われるようになりましたが、

確かに生まれた段階で、

何かを背負わなければならない人もいますね。

 

それが場合によっては

ウクライナの戦争のように、生まれたときには戦争だった、

ということすらあり得るのです。

 

決して人生は公平ではないのです。

せめて、少しでも自分が世の中の何かの役に立てるよう、

そして感謝して生きていくことを

心掛けたいと思います。