芝生の感触 | KOKIAブログ「otonami×アメブロ」Powered by Ameba

芝生の感触

5月になりました。
このお休み、みんなはどんな時間を過ごしているのでしょうか。

KOKIAは今日、東京ミッドタウンの中にある芝生の気持ちいい中庭で
数ヶ月ぶりに歌を歌ってきました。

六本木ということを思わず忘れてしまうような緑を感じながら
お客さんも私も同じ芝生の上。いつになく近くに感じられる距離感。
そんな距離感で今日はみんなからパワーをいっぱいもらった気がします。

数ヶ月ぶりに歌う機会をもらって・・・心なしかまだ少し、
私の心は歌うことに震えていたように感じました。

だから今日のイベントは私にとっては、少しずつ前に進もうという
良いきっかけを与えてもらえた、そんな時間になりました。
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私にとって歌うということは、伝えるということです。
そして伝えるということは誰かに想いを届けることです。

だから自分の心に整理がつかないまま、
歌をむやみに放つことがこの数ヶ月できないでいました。

今回のことは、私にとって、個人に立ち返って考えるべきことでした。
だから、ミュージシャンとして行動するには少し時間がかかりました。


私自身やKOKIAの歌に期待してくれているみんなの期待に応えられないまま
時間が過ぎてしまったように見えたかもしれないけれど、
3.11以前も3.11以後も私が歌を通して伝えたい想いはずっと変わっていません。

誤解を恐れずに言葉にすると、愛する人を失うのは、地震でも津波でも
事故でも病気でも、何でも辛く悲しい出来事だと思うのです。

だから私は、3.11以後、あまりに多くの人がいっぺんに大事な存在を失ったのだと
思ったらと、むやみに1人1人に起きた物語を知りもしないで、
元気づける言葉を口にすることができない自分がいました。

もちろん、元気づけてもらって救われた方はいっぱい居ると思います。
けれど、みんながみんなそうではないと思ったから。

どんな理由であっても、そして今回のように大きな地震や津波がなかったとしても、
ずっと変わらず、ずっと同じ想いで私達の人生、日常の中に次々と現れる様々な困難に
立ち向かってゆけるような、そんな心を支えてくれるような歌を歌ってゆきたいと思っています。


・・・。上手く伝えられたか自信がないです。
けれど、歌を通して、少しずつみんなに解ってもらえたら嬉しいです。