新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。

 

【評価】81点
ストーリー:★★★
キャラ:★★★★★
作画:★★★
おすすめ:★★★

判定:良アニメ

 

【何かを始めるのに年齢なんか関係ない

30歳を過ぎてから冒険者を目指した主人公リックが、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になるアニメ(笑)

低予算感が漂うタイトルとキービジュアルですが、なんのなんの。

何気にめっちゃ面白い作品でした!

こう言ってはなんですが、本作が今期で2番目くらいに楽しめたアニメになるとは、当初全く予期してなかったので嬉しい誤算。

 

そりゃ内容はベタですけど、何と言うのかなぁ~、ベタな内容を最大限に熱く見せる工夫(?)みたいなのが非常に上手な作品に感じましたね。

最初は面白くても最終回に向かうほど失速するアニメって割とありますが、本作は逆で後半に向けてますます盛り上がる面白い作品でした。

まさか最後の戦いを尊敬する師匠・ブロストンとのタイマンで締め括るとは…

男と男のガチバトル、激アツでした。

 

1クール全12話の構成は、1~3話でEランク昇級試験を描き、嫌味ったらしい貴族の三兄妹との戦いを通じてリックと師匠の最強パーティ(オリハルコン・フィスト)を簡潔に説明。

続いて第4話では、リックが中年から冒険者になるきっかけとなったエピソードが描かれ、この回で最強パーティの1人、ダークエルフのリーネットの好感度が爆上げしました。

無表情で恐いお目付け役と思っていましたが、実は表情がないだけでとても良い子で、さらにリックと実は相思相愛だったとは、胸きゅ~ん!おっさん視聴者の俺、胸きゅ~ん!以降リックをじっと見つめる彼女の眼差しが可愛らしく感じられました。

翌5話でギャグ回をやった後、6話以降は拳王トーナメント闘技会編に入り、最後は決勝戦で上述した主人公パーティ同士の戦いを見せてフィニッシュしました。

見せ方も上手いし、キリも良いし、販促ノルマ抜きにアニメ単体として見ても清々しい作品でした。

 

リックもリーネット、ブロストンも、本作は各キャラが立ってるのが最大のセールスポイント。

6話以降では、序盤モブの敵キャラだった貴族の三兄妹の真ん中、アンジェリカがまさかのメインキャラに躍り出る活躍。

常軌を逸したリックらに対するツッコミがキレッキレで小気味良かったです。

また、自身の試合では敗れはしたものの、リックに触発されて貴族らしからぬガッツを見せ、まるで第二の主人公になったかのようなキャラクターに成長。

そりゃあキービジュアルにも映りますわw

語尾「ですわ」キャラの個人的ベストキャラかもしれません。

 

作画は最新技術を駆使した派手なエフェクト等はありませんが、決して手を抜いてるわけではなく描くべきところはしっかり描写し、映像は敢えてクラシックに寄せた感じと受け取りました。

「ベタ」「古風」「暑苦しい」、これら全てをいい意味で体現した作品と言えます。

最後になりますが、オープニングテーマを歌うのは闘病中のアニソン歌手、串田アキラさん。

「諦めない」をキーワードに作品とご本人をリンクした熱いテーマ曲です。

そういう制作陣の細かいアイデアも含め好感が持てる作品でした。

大衆受けする作品ではないかもしれませんが個人的には1クール大いに楽しませてくれた良作と言えます。