夜のクラゲは泳げない
【評価】71点
ストーリー:★
キャラ:★★
作画:★★★★★
おすすめ:★★★
判定:並アニメ
【脚本がキャラをダメにした残念作】
オリジナルアニメ。渋谷を舞台に少女たちの成長を描く青春群像劇。
動画工房さん制作のアニメーションクオリティは文句なしでした。
ゆえに一見すると良作に感じた部分もありますが、中盤以降のシナリオがあまりに納得できない代物だったため総合評価点はこの程度になります。
自分がオリジナルアニメ贔屓なこともあり、実は第1話時点の期待値では本作が今期アニメで1~2位を争う程でした。
略称が「ガルクラ」「ヨルクラ」って類似していること、また良作ともに音楽をテーマにしてることで対比された『ガールズバンドクライ』と比較しても、第一印象は甲乙付け難しでしたね。まぁ、2話、3話と進むうちに直ぐに差は開いてしまったのですけど。
特に物語中盤に差し掛かった頃には、本作の脚本に嫌悪感すら抱くようになってしまいました。
次から次へと問題が沸いて出てきては、いつもフワ~とした感じで1話で解決してしまうのですが、よくよく考えると頭に疑問符しか浮かばないんですよ。
「設定が強引すぎでは?」「そうはならんやろ?」「解決してないのでは?」「あまりにご都合主義では?」「前も同じことで悩んでなかった?」「どういう思考回路?」「このキャラなんだったの?」
シナリオとキャラの思考が色々アンバランスで違和感しかないんですよ。
これじゃ共感もクソもありません。
それでも熱量の高さで誤魔化せてたのか、ネットの評判は上々だったので個人的にモヤモヤしてたのですが、最終回後から苦言を呈するポストも増えてきたので「だよなあ」と今思ってるところです。
アンチではないしオリアニの成功は心から願ってたけれど、「良いとこは良い」「悪いとこは悪い」ということは公平に判断しないといけないので。
キャラ・構成・シナリオ・設定と、苦言はいっぱいある中、その最たるものは「花音と元所属グループおよび母親との確執」ですかね。
あそこまで修復不可能に描いといて最終回であっさり和解…?
だったら最初から話し合えば脱退とか絶縁になる前に解決出来たのでは?
どうせなら母親は本当に性根が腐った人間という設定に貫くべきだったし、何を考えてこんなチグハグな展開にしたのか理解に苦しみます。
最終話前の11話でキウイのエピソードを挟んだのも意味不明で、その話とっくに解決してなかったかと…
普通に考えてあれだけ高スペックだったら、もはや不登校にコンプ抱える必要全くないし、元クラスメイトとか蟻としか思えないはず。また、逆の立場の蟻は当時イジメてた子が有名インフルエンサーになってたら萎縮しないと変でしょう。
もちろん見ていて恥ずかしくなる絶叫もラノベ感丸出しでアウトでした。
『ガルクラ』と同じく音楽を題材にした作品ということを上述しましたが、本作の方の音楽面は個人的には全然刺さりませんでしたかね。
そもそも声優さんたちが親の声より耳にしてるベテランの方々なんで、まったくもって新鮮味がないのです。これは非声優を起用した前者と大きな違いです。
中身はダメ、音楽も無味無臭となると、褒めるところは動画工房の作画だけ…実際のところ、そんなアニメでした。
決して貶したいのではなく、結論を言ってしまえばそうなってしまうのです。
期待作でしたし脚本とか一歩違っていたら名作になっていた可能性はあるので残念です。
某有名ラノベ作家が脚本を担当したことが話題になりましたが、やはりひとりに一任するのではなく、専門の構成作家を付けて修正するところは修正するなどの対策は必要だったのではないかと感じました。
グッバイ世界!(←痛)