ダンジョン飯

 

【評価】90点
ストーリー:★★★★
キャラ:★★★★★
作画:★★★★★
おすすめ:★★★★★

判定:神アニメ

 

【マルシルは俺の嫁でいい?

4人のメインキャラが魔物を料理しながらダンジョンを進んでいく痛快ファンタジー。

冒険+グルメをミックスした見応えあるアニメで、連続2クールの半年間みっちり堪能させてもらいました。

TRIGGERが手掛けるアニメーションもズバリ満点の出来栄えです。

 

原作は『この漫画がすごい!』で話題になった2016年頃に少しだけ読んだ記憶があり、触りだけ見ていまいち刺さらなかった記憶がありますので、アニメもそこまで期待してなかったんですが、いやいやめちゃくちゃ面白かったですね。

メイン4人が活き活きとキャラ立ちしていた点が魅力に映りました。

特に紅一点のハーフエルフのマルシルは個人的ヒットキャラ。

真面目で優秀…なはずなのになぜかどんくさいというアンバランスな一面が今までにないヒロインでしたねえ。

彼女のリアクション芸がまた最高で、魔物食を誰よりも嫌がって「ヤダー!!」と絶叫するのですが、良い子なのでせっかく仲間が作ってくれたものを拒むわけにはいかず、毎回泣きながらきちんと食べる姿が好感度半端なかったです。

 

魔物食については、美味そうなものから、そうでないゲテモノまで様々。

まさか"動く鎧"にまで食べられる要素を付与するとは驚きました。

どう考えても生き物じゃない部類のモンスターと思っていましたが、本作においてまさか「貝の仲間」という解釈でくるとは…恐れ入りました。

一方で"クラーケン"はイカだから食用向きっぽいんだけど、現実のダイオウイカと同じく臭すぎて食べられないとのこと…

で、その代わりにクラーケンに付いてた寄生虫を食べることになるのですが(笑)マルシルじゃなくてもそれは嫌だw

と思ったら、料理したらウナギになりました。そんなバカな!

上記のように結論としましては「食」を題材にしながら単純に美味しさだけを求めた作風ではなく、限られた状況下において様々な食材をどう調達するかの方に比重を置いた作品であると感じました。

ジビエあるいは昆虫食などに興味のある方は、主人公ライオスのように本作の食材に美味しさを見出せるのかもしれません。

 

さて、本作はグルメパートとは別に本筋となるストーリーがちゃんとあります。

ダンジョン奥底でドラゴンに食べられたファリンを救いにいくという明確な目的が。

1クール目ラストで一旦はその目的を果たしたかに思えたのですが、また更なるトラブルが起きてしまうので冒険はまだまだ続き、2クール目では新たな仲間イヅツミが加入したり、ダンジョンの真相やキャラクターの過去などが少しづつ判明してきたり…色々盛り上がってきたところで1期は終わりました。

既に2期の制作は決定しており、本来はストーリーが完結した2期まで視聴後に総評を書くつもりだったのですが、思わずフライングで中途レビューしてしまいました。

まあ、基本的にはキャラクターのやりとりが作品の持ち味ですので、本筋のストーリーがどうなろうと評価は変化しないと思うので、もしかしたら2期完結後のレビューは個別に書かないかもです。

 

最後に本作のアニメ化が「成功だったか失敗だったか」について。

円盤の売り上げを見ると初動3000枚に届かなかったということで、同時期スタートの『魔法少女にあこがれて』が1万弱であることを考えるとどうなんでしょう?

とはいえ、あれだけ好評だった『葬送のフリーレン』ですら1万には到底届かないとなると円盤の売り上げではもはや成功失敗は判断出来ません。

ちなみに配信では各サイトとも再生回数が春アニメ10位前後といったところでした。

ひょっとしたら制作側の期待値にはやや届かなかったのかもしれませんね。

でも、そんなことは関係なく見る人が見れば間違いなく良作と答える完成度の高い作品だったと思っています。

アニメ終了後もどんどん評価が高まって2期を迎えられると良いですね。