婚のレバーは加熱しろ

 

【評価】37点

ストーリー:★
キャラ:★
作画:★
おすすめ:★

判定:糞アニメ

 

【こんなブタクソ作品が未だに生まれる謎

いや~、見終わりました。

序盤から放送するのがやっとなクオリティでしたが、途中で歴史に残る作画崩壊回を流してしまった上、結局万策尽きて放送を複数回落としクール内に終了出来ないという一番ダメなやらかし…

さらに1ヵ月遅れで配信された最終回もほとんど動かない紙芝居で、これなら前話で打ち切り最終回でも同じだったんじゃないかと…

正直、大分クソなアニメだったと断言して良いのではないでしょうか。

 

まあ、万策尽きたことは片隅に置いて、とりあえず内容のレビューをします。

まず、例によって本作も異世界転移物ですが、特色としては転移された主人公の肉体が人でなく「豚」であるということですね。そこは他作品とは違う変わりダネで良かったと思います。

そして豚を演じた声優が松岡禎丞さんだったこと。時にキリト的主人公に配役されるとやかましく聴こえてしまうポジションになってしまった声優さんですが、こういった変わりダネ主人公なら全然有りです。

実際、第1話の掴みは悪くなく、今後の豚と美少女の冒険に期待が持てる導入でした。

 

ただ、褒められるところは本当にそれくらいで…

回を費やす事に露わになる残念な出来に失望し、気づけばいつ視聴を切ろうか迷う自分がいました。

なんというか作画が微妙なのもそうなんですが、とにかく間延びした演出が見るに堪えないのです。

キャラクターが「・・・・」と無表情で固まるような「今の間いる!?」的カットが全話を通して散見され、まるで尺稼ぎをしてるようにしか見えませんでした。

第2話で豚が「ダンスダンスレボリューション」したシーンは話題となりましたが、あそこも店主が「笑い過ぎて死ぬ」みたいな台詞を言ってた割に、絵面的にそこまで抱腹絶倒してる様には見えないし、周りで見てる衛兵も全員無表情だったので、本当に面白がられてるかどうか分かりにくくあまりにシュールです。

 

原作を忠実にアニメにしたと言えば聞こえはいいのですが、本作の場合は「原作のやりとりにただ絵を付けた」という感じで映像化するにあたっての工夫は皆無で、逆に文章による説明がないだけ分かりにくくなっていたと思いました。

アニメーション映えを意識した点は何一つなく、演出面は極めて稚拙であったと言わざるを得ません。

その上で第9話における作画崩壊。かなり重要な戦闘回だったのに、棒立ちで腕だけ上下して剣を振り回す敵、足すら動かさず地面をホバー移動する豚、ワイヤーで吊るされたかのように固まったまま空中移動する剣士、なぜか勝手に燃えて焼死する敵…etc。

極め付けとして、その戦闘のさ中ヒロインの一人が刺殺されるショッキングな場面があるのですが、普通は刺されたのち膝から崩れる等の描かれ方がするはずのところ、なんと直立のままドミノのように後ろにバタリ…(笑)

作中、最も悲しいシーンとなるはずがシュールギャグと化しました。いや、「ギャグ」というと面白かったかのように聞こえるのでちょっと違いますかね。ただただ、呆れ果てました。それだけです。

 

第9話のインパクトを長々と説明しましたが、それ以外も全体的に酷かったです。

作画クオリティが低いだけでなく、緊迫するはずのシーンで、敵も味方もダラダラ動かなかったり、無意味な顔アップを連発したり、演出が到底プロの仕事には見えませんでした。

挙句に作品が完成せず何度も放送を落とす始末。

制作会社は同クールに3作品も請け負ったみたいですけど、1つの作品も満足に完成出来ないのに何故そのようなキャパオーバーを発生させたのか理解できません。

制作が全て悪かったようなレビューになりましたが、正直に言えばこの『豚レバー』という作品はストーリーも意味不明でした。

「イェスマ」の設定が強引過ぎるというか…過酷な運目を背負う少女を描きたいのは分かりますけど、なんていうんですかね…彼女らがもっと「生きたい」「幸せになりたい」という感情を全面に出してくれないと、視聴者的に感情移入出来ないと思いました。

最後になりますが、作中一人覇気を出していた松岡さん。クソアニメを引いても常に全力投球、お疲れさまでした。