ひきこまり吸血姫の悶々
【評価】64点
ストーリー:★★
キャラ:★★★
作画:★★
おすすめ:★★
判定:凡アニメ
【たぶん2期は無いか…?】
ひっさびさにコテコテのラノベアニメを見た。
最近は異世界転生系しか見る機会がなかったので。
悪くはなかったけど出来映えが回によってバラ付きがあり、特に作画の良し悪しがはっきり分かれてたのが残念だったかも。
こういう作品は作画にリソース全振りするだけでも大分印象が違うからね。
とりあえず第1話と第4話に力を入れていたのが印象に残ってるが、それ以降は微妙な回がほとんど。
本作の良いところは、キャラクタービジュアルのセンス。
とりあえず可愛いキャラをいっぱい出しときゃ正解じゃね的な。
ルックスもさることながら個人的には名前の響きが気に入りました。
「テラコマリ・ガンデスブラッド」とか「サクナ・メモワール」とか語呂が格好良く、略称が「こまり」「さくな」と日本人の女の子っぽくなるのが良し。
名前以外も「烈核解放」とかもワードセンスが素晴らしい。
死んでも直ぐに蘇れるという世界観は、まさに異質な設定である。
初回でそれ聞いたときは、そんなんギャグアニメにしかならんやん…思ったが。
ところが第3話で早くも「神具」という武器で殺されると生き返れないというガチ設定が判明。「死」が「死」でない世界観においてそれってとんでもないことなんじゃ…というツッコミが追い付かない程に急にストーリーもシリアスモードに突入。
さらには吐血あり、切断ありの、リョナアニメになって脳みそ混乱。
2話まで完全にコメディ作品だったのに緩急もクソもない。
第3~4話。ミリセント・ブルーナイトという最初の敵キャラとの戦いが、結局本作における最初にして最大のピークだったかな。
ホントは弱いのに嘘ついて強いことになってるテラコマリだが、実は血を飲むと本当に最強になるって、やっぱりオレツエ―系アニメなのかと言いたくなるも不思議と満足感がある。
そこまで視聴者に本当に最弱と思わせておけたのが良かったのかもしれない。
テラコマリ本人は最後まで自身の強さに無自覚だったのも面白かった。
第5話から次章のサクナのお話に移るが、なんやかんやで友達以上の関係に至り、第9話以降で最終章が始まる。ここからの展開は更に急ピッチ。
尺の都合であろうがシナリオ構成が無茶苦茶で非常に分かりづらい章になってしまった上に、作画もクライマックスになっても省エネモードが続く。初回のクオリティが高かっただけに尻すぼみの印象に感じた。
最終章における新ヒロインのネリアは、原作ではおそらくもっと深堀りされてるのだろうが、あまりに展開が早すぎて、どんなキャラクターなのか視聴者が把握出来る前にストーリーが進行してしまった。
もう一人の新キャラ、アマツ・カルラという巫女風の子、あんまり居た意味分からなかったかも。一応原作ではメインヒロインの一人のはずなのに、おそらくは大幅に見せ場がカットされたのだろうか?
おわりになるが、秀逸なキャラデザがつくづく勿体ないと感じる作品だった。
ストーリーは所詮ラノベなのでそこまで期待すべくもないのだが、如何せん構成が悪い。場面の切り替わりが不自然な部分も多く、視聴者に優しくないアニメと感じた。
圧倒的強さを誇る烈核解放モードのコマリも爽快感を感じさせたのは第4話のミリセント戦のみで、オレツエ―系の強みを発揮することは出来ず。
制作会社はProject_No.9。同社が同クールに制作した『豚のレバーは加熱しろ』は見事(?)に作画崩壊を起こしオンエアを落とす有様だったが、こっちの方も大してクオリティが高かったとは言えずギリギリ作り切った感じ。
1作品でさえ満足に制作出来ないのに複数作同時に担当するとかマジで理解不能。
No.9制作のアニメは過去の作品を振り返っても、第1話だけ力を入れて残りは流す…って作品が多い気がする。
確かに初回の話題性さえ得られればそれなりにファンが付くのが実際なんだろうけど、個人的には1クール全話均等に仕上げてくれる作品の方を評価したいところだ。