僕の心のヤバイやつ

 

 

 

【評価】92点
ストーリー:★★★★
キャラ:★★★★★
作画:★★★★★
おすすめ:★★★★★

判定:神アニメ

 

【2期終わるまで感想我慢できない!

最終回でまさかの2期発表~!(パチパチ)

来年1月ということで、事前に決まっていた分割2クールなのか、好評を持しての2期決定なのか微妙なライン。

どっちにしても続きが見られるというのは最高の朗報だ。

分割アニメは全部見終わったらレビューというのが当ブログの基本スタンスだが、あまりに良いアニメだったので我慢できず、ここまでの感想は書いてしまいたい。

 

個人的には青春アニメの中で所謂"高木さん系"は苦手としていたので、当初の期待度はかなり低めで視聴を始めた作品である。

実際に序盤は「可もなく不可もなく」という具合の評価であった。

ところが本作は作品全体が一気に面白くなる明確なターニングポイントが存在する。

それはヒロインの山田杏奈が主人公の市川に恋愛感情を抱く場面からだ。

具体的には5~6話の中盤に差し掛かかる付近からで、7話以降は視聴意欲も最上位となるくらい加速度的に面白くなる。

なので、今から視聴する人で、もし序盤微妙だと感じても切らずに視聴継続することを絶対オススメしたい。

 

自分はこれ系の作品において、主人公よりもヒロインの方が強キャラで男子にマウントを取るようなキャラクターは元来苦手であったが、本作ヒロインの山田は、見た目は中学生離れした美人なのに中身は少しポンコツでやや幼さが残る女の子なところが見事に刺さった。

あきらかにカースト下位の市川に対して、上から目線じゃなく正面から接し、淡い恋心を募らせていく過程が無茶苦茶愛おしく、あざと過ぎない天然具合もベストだった。

過去の全アニメと比較してもヒロイン力が最も高いヒロインだったと言っても過言ではないのではないか。

 

逆目線で主人公の市川の成長も注視すべき。

はっきり言って序盤の市川はキモい。遠くから目にする美少女を独りでブツブツ批評した上でしっかりオカズにする陰キャの中の陰キャ。

そんな彼も、やはり中盤を境に人が変わり、勇気を持って言うべきところは言う、行動すべきところは行動する芯のある男子になった。

第9話における山田からの過剰なスキンシップに対し「もしかして山田は僕のこと…でもそんなはずは…」と困惑する様子も、鈍感系主人公でもなく自意識過剰でもない中学生らしい自然な塩梅で良かったと思う。

そもそもモノローグにおける一人称が「僕」なところからして誠実な性格が見受けられ好感が持てる男の子であった(ゆえに何度かあった自慰ネタは不要に感じた)。

 

少し残念だった部分を挙げるなら、山田が市川を好きになった理由がやや弱かったこと。

単なるクラスメイトくらいの認識でしかなかった市川のことを「泣いてるときにお茶を買ってきてもらった」「アクシンデントで手を握った」程度でそんな意識することあるかね?っていう…

え、ある?まあ、ブサイクが美女にちょっと何かされたら落ちることは沢山あるだろうが、逆はないんじゃない?w

いずれにせよ、フィクションなんだからさ、もっと深みのある理由付けが欲しかったとは思うのでストーリーの評点だけ少しマイナスにした。

でも物足りなかったところはそのくらいかな。

それ以降の恋を育む過程は文句なし。

 

最終回は、小学生の頃は普通だった市川がなぜ中学で陰キャになってしまったのかが明かされるとともに、山田に出会うことで救われたことを改めて自覚、声に出して感謝を示すことが出来た重要な回。

第1話であんなキモかった市川が、大好きな子に素直に「ありがとう」を言えるようになった成長ときたら…次は「好きです」をいつ言えるかかな?父ちゃん応援しとるけん!

あ、あと!市川姉が作品を彩る最高のサブキャラだったことにも触れておかねば。

弟のことを溺愛しながらもキーホルダーをさり気なく置いていくなど、気遣いも出来る最高のお姉ちゃん。ゆかりんボイスも何気に完璧な配役だった。

物語はまだまだ続くとはいえ、1クールの締めとして切りのよい最終回であり、ラストシーンで満足感&喪失感ともに最高潮に達し、エンディングからの2期発表のエンドカードで万々歳となった。

 

余談だが原作者の桜井のりお先生といえば、10年以上前にハマったアニメ『みつどもえ』の作者さんということで、当時から時を経てこのような青春作品を描くようになったことは非常に感慨深い。

自分の勝手な思い込みかもしれないが恋愛経験のない漫画家さんの描くラブコメは凄く面白いと思う。…違ったらすみません(笑)

そんな先生の作品を、脚本&作画ともにこれ以上ないくらいの仕上がりで完成させたアニメスタッフも最高の仕事をしてくれた。

テレ朝深夜枠のアニメでは史上最も面白かった作品だったことは間違いなく、まだまだ上振れの余地あるアニメだと思うので1月からの続編も大いに期待したい。