ヤマノススメ Next Summit

 

 

 

【評価】80点
ストーリー:★★★
キャラ:★★★
作画:★★★★
おすすめ:★★★

判定:良アニメ

 

【10年シリーズの集大成

女子高生×趣味シリーズの先駆けとも言える作品。

実際にはもっと昔からあったかもしれないが、量産されるようになったのはヤマノススメがきっかけだったのでは?と自分は思っている。

アニメ1期は10年前、あれから完全上位互換といえる『ゆるキャン』が世に出てしまい、本作が記憶の彼方に消し去られた時期もあったけど、今期は時間もあるし、原点回帰の気持ちを込めて視聴することにした。

 

「Next Summit」と題された今回の4期、前半4話は第1期~3期の総集編となる。

拍子抜けした人も多いようだが 個人的には内容を忘れていたこともあって非常に有難く「そうそう、こんな話だった」とか「こんなキャラいたっけ」とか感慨深いものがあった。

5話から新作が始まったが、んんーっ?

キャラデザが急に大人っぽくなった!?

…と思ったら今度は幼女みたいな作画に!?

作画崩壊してるわけじゃないけど、回によって癖が凄い変わるねぇ。

意図して個々のアニメーターの色を出す手法を取り入れたのだろう。

いや、良いと思う。10年選手アニメらしくて。

安定感が求められる時期は過ぎてる。

むしろ沢山の表情を楽しめて良かった。

 

シナリオについては、セカンドシーズンにおいて涙の失敗に終わった富士山登頂のリベンジを最終盤にもってきたことが素晴らしかった。

確かに10年間の集大成を示すエピソードはこれっきゃないっしょ。

あんな弱弱しかったあおいちゃんが、1年間で心身共に鍛えられて富士山制覇し、山登り仲間も増えて、山登り仲間じゃない友達も出来て、ほんま立派になったなぁ…

なんだか涙が出てきた。物語に感動したわけじゃなくて、あおいは1年でこれだけ変われたのに、俺はこの10年でなにも成長しなかったな…という虚しさで。

 

最終回ラストカットは月日を経て卒業証書を持ったあおい&ひなた。

「またいつか、ヤッホー」としながらも、原作はまだ続いてるのに未来のカットでエンドを迎えたのは「アニメはここまで」という明示だろうか…?

悲しけどここは、同系統の人気アニメが続々出現してしまう中で、このまま埋もれてしまいそうな本作を掬い上げ、しっかり締めてくれた山本監督らスタッフに感謝しなければいけないだろう。

5分アニメから始まって、2期で15分アニメに出世、10年後に30分アニメとして見事集大成を示す。そんなアニメは二度と出てこないのではないか。

新規にファンを集めて覇権を目指す…という代物では今更なかったので、作画面で一人原画回や若手作監回を組入れた遊び心も好感を持てた。歴史ある作品だからこそこのような様々な試行が許されたのだと思う。

その中で伝説のアニメーター吉成鋼氏が手掛けるエンディング映像は必見だった。

毎回違った映像を一人で手掛けたということで…いや、凄すぎる。

90秒の無言のアート作品であり、実はEDが4期最大の見所だったかもしれない。

視聴したけどEDを見逃してしまったという方は、今から配信で全EDを見直してみることをお勧めする。

本編からEDまで作品愛に満ち溢れた良いアニメだった。

10年間ありがとうございました。