宝石の国(公式サイト)

 

 

【評価】89点
ストーリー:★★★
キャラ:★★★★
作画:★★★★★
おすすめ:★★★★★

判定:良アニメ

 

【3DCGをMAXに活かした作品】

本作について原作は全く存じておらず、初見では大衆向けではない意識高い系の作品という印象を持った。
キャラクターが宝石を擬人化したものということで、主にビジュアル面を重視したアニメ作品であると感じていた。
ところが2話、3話と見続けていくうちに、ストーリー面でも徐々に引き込まれていき、気付けば同時期に放送したアニメの中でも最も視聴意欲が高くなった作品となった。
中でも印象に残ったのは8~9話において主人公のフォスフォフィライトが豹変してしまうところだろうか。主人公の性格や見た目がここまで変化してしまう作品ってかつてないように思える。
超弱いくせに小生意気な初期フォスも可愛くて好きだったが、覚醒後はやたら凛々しくなって良い意味で鳥肌が立った。違和感はあれど不快感がないというか。それもcv.黒沢ともよさんの演技力の賜物だろうか。前々からダウナーキャラを演じさせれば若手でトップだろうと感じていたが、改めて実力派だなーと評価をあげる作品となった。
他の宝石たちも人気の声優さんたちがあてられて、質アニメでありながら声優ファン向けな側面もあるアニメだった。ところが、制作前の段階ではキャラの一部に男性声優を起用する案もあったようで、個人的にはそうならなくて本当に良かったと感じてしまったが。確かに本作のキャラには性別がなく、主人公のフォス含め男声でも内容的には問題なかったとは思うけれどね。
また、本作はCGアニメーションと非常に相性の良かった作品であった点も特筆するべきだろう。宝石たちの質感、月人の不気味さ、それらが激しく滑らかに動くアクションシーンなどCGであることの強みが最大限に活かされていた。この点だけでも原作をアニメ化したことに大きな意義があったと言えるのではないだろうか。
ストーリーはまだ序章という段階で終わりを迎えてしまったが、不思議と満足感のあるまとめ方だった。宝石と月人と「にんげん」の関係などは何も明らかにならなかったけど、それは2期以降でいいじゃんという。まぁ、原作のストックが聞くところによると無いみたいなので続編のアニメ化は大分先になると思われるが…。
総評としては、原作をCGアニメとして映像化した点に関して完璧だったと思う。原作ファンにとっても、私のような新規にとっても、大変満足感のある良作アニメであったと言える。