…そう言えば、ドイツでのコンクールの顛末をまだ報告してなかったですね。
前に触れた、北朝鮮の1997年生まれの男の子…
彼は無事、第3位に入賞しました!(^O^)/
多分、会場中にいた皆さんは、ホッとしたと思います。
今回、僕は凄い体験をしてしまった、とつくづく感じています。
彼の演奏は本当に素晴らしく、その完璧な演奏にも強烈な印象を残しましたが、それにもまして心に焼きついて離れないのは、
彼にピタリと張り付いていた、全身に目が付いているような「お付きの人」二人組スーツの存在です。
そして、結果発表を待つ時の北朝鮮の男の子の異様に青ざめて、今にも泣き出しそうな顔…
彼の両側には、やはりピタリと険しい表情で「お付きの人」が座っています。
この光景を忘れる事が出来ません。。。
奨励賞、第5位、第4位…という順番に発表されていきますが、第3位で彼の名前が呼ばれた時の、彼の心から救われたような笑顔とこぼれる嬉し涙…
会場中がどよめき、皆の一段と大きな拍手に包まれました。
「お付きの人」達も、今までとはうってかわって嬉しそうな顔で、やたら精密そうな見たこともないような無線機で興奮してしゃべっています。
第1位でなかった事が少し心配でしたが、あの様子では大丈夫そうで、ちょっとホッとしたというか…でも、ずっとその後も心にずっと引っかかっています。
ちょうど、結果発表の時、斜め後ろに彼らが座ったので、雰囲気がヒシヒシと伝わってきました。
この男の子は、偶然にも演奏順の抽選でトップバッターになってしまいましたが、三日間続く審査の中で彼を見かけたのは、その舞台でと結果発表の時だけです。
僕は生まれて初めて、「お付きの人」のちょっと場違いな堅い感じのスーツ胸につけている例の「赤いバッヂ」を見ました。
本当に、凄い経験をしました。
他、第1位は中国系アメリカ人の男の子
第2位はアメリカ人の男の子
第4位は日本人の女の子
第5位はインドネシアの女の子
フタを開けてみれば、超絶技巧的な演奏は嫌われたような感じで、素晴らしいテクニックを見せた中国の参加者達は一人も賞に入りませんでした。
優勝した男の子は、本当に品がある感じで、演奏も全体にユッタリとしていて、技巧的にみせる曲は一曲も入っていませんでした。(プログラムは各自20~25分以内で、ある程度自由に、自分がアピール出来るように組めれます。)
優勝を決めたと思われるのは、ブラームスの晩年の小品で、心が洗われるような澄んだ素晴らしい演奏でした。
彼を聴いた時、…音楽は決して競い合うものではないんだよ…としみじみと諭されるような思いがしました。
きっと、審査員も同じように感じたことだと思います。
しかし、正直 奨励賞くらいに入ったらいいかなぁ位の予想でした。何しろ、三日間 これでもかこれでもかと言うような鮮やかで難曲をいとも簡単に弾きこなす素晴らしい演奏が続いたからです。
結果を聞いた時、かなりこのコンクールとしての、審査員の主張を感じました。
でも、とても良い素晴らしい結果だと、さすがヨーロッパでのコンクールだなぁと感心しました。
とても、気持ち良かったです。
さて、フレデリックの生徒達ですが…
いやぁ よく頑張ってくれたと思います。
正直、ドキドキ聴いていて涙が出るくらいでした。
直前まで日本でいる時には、絶好調だった子、ちょっとまだ不安定だった子、それぞれが実際にドイツに入ってからのコンディションの持っていき方、演奏順の関係(初日になるのか、2日目になるか、あるいは3日目になるのか等)で
微妙に逆転するような結果となりました。
本当に調整が難しいと痛感します。
その大舞台を案外楽しめてしまった生徒、雰囲気にのまれて実力を発揮出来なかった生徒、、
入賞はなりませんでしたが、彼らにとってとても良い経験になったことは間違いありません。
全日程が終了後、それぞれが審査員の講評を聞ける機会があることも、このコンクールのよいところだと思います。
我々、ピアニストを目指す日本人全てに言えるような講評を生徒がいただいたので(笑) 少しご紹介します。
「…あなたは、とても良く弾いたし、準備も良く出来ている。別に悪いところはありません。
ただ、先生の言われてる事をよく守って演奏している…という印象です。
演奏はもっと、ハートがなければいけません。聴衆と演奏者との間には、ハートとハートでやりとりが必要なのです。
ですから、ピアノを弾くだけでなく、これから人生のありとあらゆる経験をして、それを演奏に生かしてください!」
…何と素晴らしい講評でしょうか!!
本当にその通りですよね。
この国際コンクールは15才以下のカテゴリーでしたが、皆 またこの経験を生かして頑張ってくれるといいなぁと思いますo(^-^)o
そして、僕自身にも大変勉強になる経験でした。
と、今回は大散財というか、真面目なお話になってしまいました(笑)
では、また~('-^*)/


