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未認可のGMOがアメリカ国内で流通

久々にGMO関連でビッグニュースです。

Nature News の3月23日の記事によりますと世界最大のバイオテクノロジー企業のSyngenta (シンジェンタ)が未認可の遺伝子組み換え作物を何年にも渡って栽培し、アメリカ国内に流通させていた事が発覚しました。

このシンジェンタという企業は確か元々は農薬かなにかの会社でアメリカでは特に大豆やトウモロコシの研究で有名です。自分がいたイリノイ州には研究所がたくさんあり、授業でしょっちゅう行って帽子やらのグッズなどを沢山貰っていたので複雑といえば複雑。

ではどういうタイプのGMOかといいますと、アメリカで広く流通しているタイプの遺伝子組み換えコーンにBtコーンというのがあります。それはトウモロコシが自分で殺虫剤を作れるタイプのとうもろこしです(この成分は人に影響はありません)。Btコーンで広く流通しているタイプは「Bt11」というタイプのとうもろこしなのですが、別のタイプで未認可の「Bt10」が栽培されているのが見つかったそうです。

では「Bt11」と「Bt10」の何が違うといいますと、前の記事でありましたが、たんぱく質(酵素)の形をデザインしている部分の外側のDNAの配列が少し違うだけ、ということです。そのため記事ではBt11は安全性も確認されていますし、その位では影響はないだろう、と述べています。

では問題のポイントは何なのか?

それはバイオ企業が種子の管理ができていない可能性が露見したという点です。別のタイプが何年にも渡って栽培されていたのにも関わらず企業は気づかなかった訳ですから。

本ブログの主張としては「GMOは食品の安全基準を満たす限り食品として安全である。ただし環境面で栽培の際には花粉や種子の管理ができていないといけない。」という条件付賛成の立場を取っていきます。この主張に乗っ取る限り、今回の種子の管理体制の不足は今度の懸念材料になるとおもいます。

シンジェンタや他の企業が今後どのような対策を発表していくか注目です。

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