トーク・トゥ・ハー | 平凡な日々にもちょっと好感を持って

平凡な日々にもちょっと好感を持って

映画、本、旅、散歩....日々の隅っこに見つけたもの。

2003年公開/スペイン/113分

監督:ペドロ・アルモドバル

出演:バビエル・カマラ、ダリオ・グランディネッティ、レオノール・ワトリング、ロサリオ・フローレス ほか

 


Colorful Cinema Paradise-トーク・トゥ・ハー

 

 

 

 

昏睡状態で眠り続ける美しい女性・アリシア。

 

 

 

彼女の介護を担当する男性看護師のベニグノは、意識のない彼女に、その日あった出来事などを語りかけながら、いつ彼女が目覚めても美しいままでいられるよう、献身的に尽くしていた。

 

傷心の女闘牛士・リディア。

 

ふとしたきっかけでライターのマルコと恋に落ちるが、昔交際のあった闘牛士に対する複雑な思いも抱いていた。

そんな動揺を抱えながら闘牛に臨んだ彼女は、突進してきた牛に突き上げられ、重傷を負い、昏睡状態に陥る。

 

同じ病院で過ごす二組の男女。

 

悲しみに暮れるマルコに対し、ベニグノはアリシアに尽くし続ける日々に幸福を感じている。

 

やがてマルコとベニグノに友情が芽生え、互いの過去が次第に明らかになる。

 

それぞれに愛と孤独を抱え、共感していくふたりだったが、ベニグノのそれは異質で、危うさをはらむものだった・・・。

 

 

正直、家族で観たら気まずくなる映画です。

 

 

ベニグノの特殊な愛情表現にはついていけず、途中でちょっと気持ちが引くんですが、マルコの存在のおかげで、後味の悪さが相当やわらいでいます。

 

観客が感情移入しやすい「普通」の感覚を持ちながらも、ちょっとしたことで涙をこぼすような高い感受性を備えたマルコ。

 

 

「普通」目線のマルコが、親身になってベニグノを助けようとする姿勢を見て、観客もベニグノを理解しようという気持ちになるのかな、なんて感じました。

 

 

この作品は、ドイツの舞踊家 ピナ・バウシュや、ブラジルのミュージシャン カエターノ・ヴェローゾが登場していることでも注目されました。

 

自分はダンス・バレエ・舞踊といった知識はゼロ、ブラジルの音楽の知識もゼロでしたが、このふたりの静かな存在感は、とても印象的でした。

 

DVDに付いていたパンフを読むと、ヴィム・ヴェンダース監督がピナ・バウシュと何かつくろうと考えていたところ「すばしっこいスペイン人(アルモドバル監督)に先にやられてしまった」んだそうです。

 

 

それでも結局、ヴィム・ヴェンダースは、ピナ・バウシュを追ったドキュメンタリー映画「ピナ・バウシュ 夢の教室」を撮り、ピナ本人の逝去という大きなできごとを乗り越えて、完成にこぎつけました。

 

しかも3D。

 

今日、東京方面に用事があり、午前中どこかで映画を観ようと調べていたら、うまいこと有楽町で10時前からこの映画の上映があるようなので、早起きしてこの3D映画を観に行こうと思います。


*** トーク・トゥ・ハー Trailer ***