平凡な日々にもちょっと好感を持って

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映画、本、旅、散歩....日々の隅っこに見つけたもの。

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4月8日はお釈迦様の誕生を祝う「花まつり」。

満開の桜を眺めながら、調布の深大寺、世田谷の豪徳寺を訪ねた。

 

調布駅からバスに揺られ、深大寺の山門をくぐると、淡いピンクのシダレザクラが目に映える。

 

深大寺の誕生仏は神々しい金色。

甘茶をかけてお祝い。

 

おみくじは、「笑」えば「実」り「豊」か、とのお告げ。

 

にぎわう門前では花より蕎麦&饅頭。

 

おとなりの神代植物公園に立ち寄ると、ソメイヨシノの並木が満開。

 

園内には、赤みがかった横浜緋桜、紅白まだらの源平枝垂れ等々、たくさんの種類の桜を見ることができる。

 

世田谷線に乗って豪徳寺に到着。

こちらの誕生仏は黒光り。

 

豪徳寺名物のたくさんの猫たち。

隅っこまで猫・猫・猫・猫....。

 

仏教徒らしく過ごした花まつりの一日。


2001年公開/日本/146分

監督:岩井俊二

出演:市原隼人、忍成修吾、蒼井優、伊藤歩 ほか

 


Colorful Cinema Paradise-リリイ・シュシュのすべて

 

 

西暦1999年、中学1年生。

 

剣道部に入った蓮見雄一(市原隼人)は、秀才でスポーツ万能の星野修介(忍成修吾)と出会う。

 

勉強も運動もできる星野に憧れ、うらやむ蓮見。

 

けれど、星野自身は、自分に対するやっかみや誤解のせいで、必ずしも周囲とうまくいっていないことに悩んでいた・・・。

 

星野の家に泊まって、そんな思いを打ち明け合いながら、親しくなっていくふたり。

 

布団に入ろうとしたとき、一枚のポスターが蓮見の目にとまった。

 

「なに?あれ?」

 

「リリイ・シュシュ。最近ハマってんだ。」

 

夏休み、ひょんなことで大金を手に入れたことから、ふたりは剣道部仲間と贅沢な沖縄旅行に出かける。

 

西表島。素敵な女性ガイド。花火。亀の産卵。シジャーの襲撃。溺れかける星野。アラグスク(新城)の唄・・・。

 

9月1日、新学期の教室。

 

自分に絡んできた不良を容赦なくたたきのめす星野。

以前の星野とは何かが変わっていた。

そしてその変化は、蓮見と星野の関係を何もかも変えてしまう。

星野が支配する小さな世界に飲みこまれていく教室。

 

西暦2000年、14歳。

 

星野に命令され、ただそれに従うことしかできない蓮見。

 

援助交際を強要される津田詩織(蒼井優)。

 

女子同士のいじめの末、不良男子にレイプされる久野陽子(伊藤歩)。

 

援交の手伝いやレイプの手引きをさせられる蓮見は、ひたすら堕ち続けるループの中で傷つきながら、あがくこともままならない。

 

 

そんな蓮見を支えているのは、星野に教えてもらった「リリイ・シュシュ」と、リリイのファンサイトで知り合った「青猫」をはじめとするネット仲間だけだった。

 

 

そしてついに、リリイ・シュシュのライブの日がやってきた・・・。

 

 

 

 

先日発売されたBlu-ray版の「リリイ・シュシュのすべて」。

 

 

 

早起きして、久しぶりに観返してみた。

 

公開当時、いじめ、援助交際、レイプ・・・といったキーワードが前面に出ていたせいか、観るに堪えない気がして、劇場に足を運ぶのをためらい、DVDが出てもしばらく観る気にはならなかった。

 

 

そうして4~5年経った頃、ふとしたきっかけでDVDをレンタル。

 

足利ロケの映画なんだから観ておかなくちゃって気持ちもあったように思います。

 

レンタルした晩の深夜1時過ぎ、さわりの部分だけでも観ておこうと再生したところ、そのまま画面から目が離せなくなり、朝4時近くまで、テレビの前から動けなくなりました。

 

 

重く痛々しいエピソードが露悪的にならず、美しい音楽と映像にあふれ、子どもたちの表情やたたずまいに、胸が締め付けられます。

 

 

支配する側もされる側も、善悪や敵味方を超え、それぞれに痛みを抱え、破滅の淵で必死にこらえている。

 

 

「堕ちる!堕ちる!堕ちる! 永遠のループを、落下し続ける。

 

 だれか! 僕を助けて! だれか! ここから連れ出してくれ!」

 

掲示板に書き込まれた叫びは、どの登場人物に置き換えても成立する。

 

登場人物だけでなく、映画を観ている私たちにもリンクしてくるその痛み。

そういうところに、多くの人が「リアル」を感じ、いまだに新たなファンを惹きつけているんじゃないかと思います。

 

 

この映画は、足利近郊の美しい風景も、見どころのひとつ。

 

 

美しい風景というより、何気ない風景を美しく撮っている、と言った方が正確かもしれません。

 

カメラマン・篠田昇さんの映像は、こぼれるような光と独特の浮遊感が魅力。

 

2004年に、52歳の若さで病死されていますが、存命であれば、もっともっと私たちを魅了する映像をたくさん撮り続けていたことと思います。

 

「西暦2000年。 十四歳。 灰色の時代。

 

 田園の緑だけが、不毛なくらいまぶしい。」

 

鮮やかな緑の田んぼが広がり、うつむきがちに立ちつくす少年。

 

 

このシーンを観るたび、劇場の大きなスクリーンで観なかったことを後悔しています。

 

 

 

***リリイ・シュシュ「グライド」(映画エンドロール)***

 

 

1981年公開/日本/117分

監督:山田典吾

出演:芦屋雁之助、中村玉緒、山口崇、なべおさみ、小松政夫 ほか

 


Colorful Cinema Paradise-裸の大将放浪記

 

 

学校の友達とうまくなじめず、いじめっ子たちとのケンカで相手にケガを負わせてしまう山下清少年。

 

心配する母親は、教師の勧めもあり、知的障害のある子供たちを受け入れている施設「八幡学園」に、清を入園させる。

 

愛情をもって子供たちと接する教師たちのおかげで、清はのびのびと学園生活を楽しみ、貼り絵の才能を伸ばしていったが、同じところにじっとしていることがつらくなり、18才のある日、放浪の旅に出る。

 

 

健在の母を死んだことにしてしまい、他人の同情を引くような作り話をでっち上げて、おにぎりやお金をもらったり、店で働かせてもらったり・・・。

 

 

せっかく仕事にありついても、しばらくすると放浪への思いが強くなり、また新たな旅へ。

 

 

放浪先は関東近郊にはじまり、より遠くへと広がっていったが、ある雑誌記事をきっかけに有名人となってしまい、一躍時の人に。

 

 

展覧会、講演、新たな創作と、多忙な暮らしの中に身を置くようになった清。

 

「今年の花火見物はどこへ行こうかな」

そんな言葉を最期に遺し、永い放浪の旅に出かけていく。

 

 

さくら市ミュージアムで上映された16mm映画を鑑賞。

 

 

宇都宮市の視聴覚ライブラリー所蔵のフィルムらしいので、機会があればフィルム上映を楽しめるかも。

 

芦屋雁之助さんが演じた「裸の大将放浪記」はテレビドラマが有名ですが、こちらはその映画版。

 

 

テレビドラマが、相当脚色されたフィクションだったのに対し、映画版は比較的忠実に山下清の人生を追っています。

 

 

自分も子供のころにテレビシリーズを見て、山下清は「子供のような大人」で、天真爛漫、自由に生き、旅先で数々の作品を残したんだと思い込んでいました。

 

清が亡くなる最終回は、家族に涙を見られないように苦労して観た記憶があります。

 

平成8年、宇都宮市内の百貨店で山下清展が開催され、貼り絵を中心とした作品の数々と、自筆の日記などが展示されました。

 

すっかり魅了され、図録や放浪日記をむさぼり読み、出版されている関連本なども手に入る限り目を通しました。

そうして一息ついたころ、自分の中の山下清のイメージがすっかり変わっていることに気付きました。

 

そこにいたのは、几帳面で神経質で、理屈っぽい男。

 

いい景色を眺めるのは大好きだけど、旅先で絵なんかちっとも描かない。

「仕事だから」描いた作品。

 

そんな山下清を知り、なぜかますます親近感が湧いた覚えがあります。

 

 

出版されている放浪日記を読むと、那須町にある黒田原駅や豊原駅での出来事、日光見物の様子なども綴られており、自分の親や祖父母、近所のおじさんか誰かが、山下清とニアミスしたんじゃないかとか想像すると、なんだか楽しい。

 

 

日記には、清と接した人々が、どんな態度で何を話したかも、細かく描かれています。

 

横柄なおまわりさん、残酷な子供たち、見下す人、ウソの身の上話に同情してくれる人・・・。

自分に投げかけられた、キツイ言葉、そっけない態度、ありがたい親切・・・。

 

風景の記憶もそうですが、記憶の量も質も、常人をはるかにしのぐ特殊な能力があり、サヴァン症候群でもあったとされる山下清。

 

そのナイーブなセンサーと劣化しない記憶装置を持って、どんな風に周囲の人々を見ていたのか、日記からその断片が垣間見える気がします。

 

 

この映画が公開された1981年、山下清はすでに他界していましたが、この作品の他にもう1本、清がまだ元気だったころに公開された「裸の大将」(1958年)という映画もあります。

 

 

小林桂樹さんが清を演じていますが、清の甥御さんが書いた本によると、あの独特のどもった話し方をマネされるのは、あんまりうれしくなかったようです。

 

また、山下清本人が登場する映画もあります。

 

渥美清主演の「拝啓天皇陛下様」という作品がそれで、街角の掲示板を読み上げる清の、ユニークなシーンがちょっとあります。

 

「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本・喜劇編」のひとつとして、9月4日(火)よる9時から、NHK・BSプレミアムで放送されるますが、いつかこのブログで取り上げたいと思っていた名作です。

 

 

Youtubeでそのシーンがアップされていたので、リンクしておきます。

 

 

***映画「拝啓天皇陛下様」、山下清登場シーン***