父所蔵の短冊。「一浪」の銘があります。父の知り合いの方でしょうか。「大平(おおだいら)にて」と、「ことばがき」があります。

 大平について山形県の「温泉王国やまがた」に次のようにあります。

『歩かなければ、たどりつけない温泉宿』
「米沢市街から南へ。米沢の奥座敷白布温泉に続く県道米沢猪苗代線から分かれた後、車同士がすれ違うことのできないほど細い山道へ。慎重に徐行しながら車を走らせることおよそ45分。山頂に駐車場が見えてきます。
 大平温泉にある宿は滝見屋1軒のみ。吾妻連峰の山中、標高1050mにあり、磐梯朝日国立公園の中に位置する“日本秘湯を守る会”の会員でもある温泉宿です。発見されたのは西暦860年といわれ、1771年には米沢藩主・上杉鷹山が、江戸から招いた師・細井平洲とともに訪れたという記述が残っています。滝見屋は1801年に浴舎を建て開業し、旅館業を始めたのは1909(明治42)年といいます。」

「峐(かい)の湯」とあるとおり、山の中の温泉、それも秘境の温泉ということです。山形のたくさんの温泉がありますが、この「大平温泉」の外、米沢地区には「姥湯温泉」、「滑川温泉」など、大変なだけに人気のある温泉がたくさんあるのです。
 子どもの頃、父に連れられて姥湯温泉に行きました。山道をただひたすら歩き続けたことと、川の中を大石でしきったっただけの、まさに露天風呂に驚いたことを覚えています。川の中に風呂があるのが不思議でなつかしく思い出されます。