秋の果物、柿です。
 

 昔は柿の木がある家があちこちにありました。たくさん実った柿をお裾分けをする風習がありました。山形ではほとんど渋柿でしたので、たくさんの柿をビニル袋に入れて渋抜きの状態でもってきてくれるのでした。
「○○日ごろ食べ頃だから。」と教えてもらい、その日の来るのを待ちわびるのでした。うっかり期日が過ぎてしまい、柔らかくなりすぎて困ることもありました。

 干し柿を作る家もありました。色紙の絵の左側の柿のように、Tの字に枝を切り、縄のより目に掛けてずらりと並べ、軒下などにぶら下げるのでした。干し柿は山形市のとなり、上山市が盛んで、たくさんの干し柿生産者が商品作りをしています。
 干し柿は皮を剥くのが大変です。昔は包丁やナイフで剥いていました。上手な人は剥き始めから終わりまで切れることなく一気に剥きます。家族で途中で切れることなく早く剥く競争をよくやりました。
 今は便利な皮むき器が発明されました。柿を回転させ、刃を当てて一瞬のうちに剥いてしまいます。数本の釘のようなものをヘタの部分に差し込んで柿を固定して回転させ剥いていました。見事にとても早く皮を剥くことが出来ました。でも、この釘の跡から、柿に傷がついてしまうことが分かり、いつの間にかヘタの部分を包み込んで吸い付けて固定する方法となりました。
 干し柿をめぐって研究と工夫が為されていることに感動です。昔からの白い粉を吹いた吊し柿を、昔ながらのずしりと重い商品もあります。近頃は1個ずつ包んで和菓子のように箱詰めにしたものなど、干し柿はもう生菓子のようになりました。