ちょっと変わった色紙。「『さくらんぼ大将』撮影記念」とあるので、調べて見ました。すると、古川禄波の主演映画に『さくらんぼ大将』という映画がありました。色紙にあるとおり昭和27年、1952年の映画でした。裏書きには「『さくらんぼ大将』撮影記念 8月6日 上山」がありました。

『さくらんぼ大将』は古川禄波主演の映画で、色紙にあるような2人の俳優など、多くの人が関わった映画なのでしょう。さくらんぼで有名な山形県上山市がロケ地に選ばれ、さくらんぼ農場を舞台に撮影が行われたのでしょう。

 当時「エノケン・ロッパ」と並び称されて人気を競った有名な俳優であった古川禄波の映画撮影ということで、県上げて協力したのでしょう。どの地域のさくらんぼ農場を紹介するのか、農場の選定はどうするか、撮影は何日かかるのか、宿舎はどこにするのかなど、必要な大変な仕事の協力があったのでしょう。そんな仕事を無事終えて最後の晩に行われた慰労会でこの色紙をいただいたのでしょう。この時代は、県が全面的な協力をしていたのでしょうか。

 山形のさくらんぼがそろそろ出まわる頃です。日本一のさくらんぼを宣伝するのに大きな力を発揮する『さくらんぼ大将』の映画のようなものが、今も欲しいところでしょうね。