父の盟友、石丸弥平さんの色紙です。
「村の地蔵さん 草のなか 笹舟すいすい 川のなか めだかに負けるな ざっこにまけるな 海まで走れ」の言葉とともに、面白い絵があります。弥平さんらしい絵と言葉です。

 弥平さんの詩と絵について、こんな文章があります。
「あれはもう十五、六年前になるだろうか。私の酒田画展があった時、先輩の山椒亭さんに『弥平さん、まだ句集ないの』と問われて、いや、私は一句作る毎に忘れてしまうのでと照れ笑いをして、ごまかしてしまった。山椒亭さんとは、二十五年前、豆本川柳集、『青天井』を出した本間美術館長の佐藤三郎先輩のことである。それが偶々、このたび佐藤公太郎先輩から私も老いた、一つ弥平さん、句画集を出してみないかと、暖かい声をかけられて、歴史ある『みちのく豆本』に、小輩の如き拙ない作り手の一冊がとたじろいたものの、ご厚誼に応ずることとした。(後略)」(みちのく豆本118冊あとがき)

 その豆本が『川柳句画集 わが辺境 石丸弥平』です。たくさんの川柳と楽しい絵があります。その山形の大切な『川柳句画集』からいくつか。

「浅荵(あさづき)を 堀る長靴の だっだいちゃあ」
「泣き虫の 嫁こ埋めて 雪降る村」
「總右七郎鬼よさらばというものの」