俵万智さんという歌人(短歌を作る人)がいます。その俵さんに 次のような短歌があります。

 振り向かぬ子を見送れり
 振り向いた時に振る手を用意しながら


読んで 

きみのことを思い出しました

幼稚園まで送って
きみが 園の玄関に消えるまで

近所の小学校まで
きみと歩いて 校門で別れるまで

そして
修学旅行の朝 見送るお母さんの
後ろのドアの向こうで

いつもいつも
きみを見送っていました

振り向くきみを 待っていました
振り向いた時に 振る手を用意しながら


父の日がちかいですね


父の日は 

子どもが父親に感謝を伝える日ですが

でも ぼくにとっての父の日は
ぼくが 父のことを思う日です

父の愛情に

うまく応えられなかった ぼくが

父の気持ちを

うまく汲み取れなかったぼくが


父のことを思う日です


いつもいつも 父がぼくに用意していた

「振り向いた時に振る手」を

思い浮かべながら

父に感謝する日