フランセスカ・サイモン 文
ケレン・ラドロー 絵
青山南 訳
文化出版局
どろぼうが登場する絵本を探してみようって
いうクラブハウスの企画で紹介された絵本。
面白かった。24ページというこのサイズの絵本としては、
短めなんだけど、
短いって感じさせないドタバタさ(笑)
楽しい絵本でしたよ。
もとのタイトルは THE TOPSY-TURVIES。
さかさまとかめちゃくちゃっていう意味らしいんですけど、
アベコベさん一家は、
いわゆる朝、明るいうちに起きて、活動して、
夜、眠るっていうお家じゃないのね。
生活スタイルが反対なのね。
夜おきて、朝眠るの。
お食事の場所はベッドの上だし、
夜、活動的に音楽を楽しんだり、公園で遊んだり。
なんだか変なの、って思うかもしれない。
うきょうはさ、これ、変じゃないよね、
とも思いましたよ。
今の働く保護者さんたちのご家庭って、
ここまでじゃないけど、
小さな子どもさんがいても、
深夜まで開いてるファミレス、居酒屋にいて、
夜遅くまで起きてるし、
さらにカラオケとかにいって、ゲームや歌を楽しんで、
深夜? 明け方まで過ごす。
朝、起きられなくて、って
いうような生活も少なくないような気がしています。
毎日じゃなくても、
それから、ここまで極端じゃなくても、
生活スタイルもう、「ふつう」が
どこにあるのかわからなくなる感じ。
お食事も、テーブルできちんといただきますって
みんなで食べるって理想の理想になっている気がします。
アベコベさん一家はベッドで食べるのね。
食事の内容の順序が
このマナーでいいのかどうかはさておいて、
家族でそろって、共通の価値観で、
家族で会話をしながら、おいしく食べてるっていう意味では、
すごくまっとうで健全なのかも、って思っちゃいましたよ。
今ってさ、
お母さんは子どもさんたちの食事のお世話、片付けが大変だから、
という理由で
レトルトや冷凍、Uber Eatsなんかで頼んだごはんを
子どもさんたちにまず食べさせて、
そのあと、動画とかを子どもさんたちに見せたり、
寝かしつけて、
お母さんはその後に一人で好きなものを食べて、
その後に仕事で遅く帰ってきたお父さんは、
お母さんとは別の好きなものを一人で食べる、
そんなパターンのパターンのお家も少なくないみたいです。
もうね、家族同じお皿やお鍋から取り分けたものを、
いっしょにいただきます、おしゃべりしながら食べましょう、
っていう方がふつうじゃないような気がしてますよ。
1995年にイギリスで出されたこの絵本、
当時はおもしろい、だったんでしょうけど、
2000年を越えて20年も経つと、
おもしろい、けど、笑えないかも、と
ひんやりした気持ちも湧いてきました。
ブログランキングにも参加中。