横須賀香 作
BL出版
おとなのためにおはなし会、は今回は、
遠足企画。
絵本の旅というBL出版さんの絵本を
中心とした原画展になっています。
その話をしているときに、
この作品の話になりました。
うきょうはまだ、未読のものでしたので、
さっそく読んでみると……。
「死」を取り扱ったテーマの絵本でした。
「しんだらどうなるの?」
BL出版さんでは、
小学校低学年を対象にしている絵本らしいです。
そうよねえ、「死」っていうものがどういうものか、
なんとなくわかってくるのは、4,5歳くらいから。
それでも、本当に二度とこの世に帰ってこない、
ということがどういうことなのかをわかるのって、
もうすこし上の年齢かなあって思うんですね。
そして、こういったことをに関心を持てるというのも、
かなり心理的な発達が進んでいかないと、
「しんだらどうなるの?」
ってならないような気がします。
だから、この絵本の主人公の子って、
すごくおとなっぽいな、成熟しているな、
という気持ちになりました。
今の子どもさんたちって、
もう、2歳、3歳でもデジタルのゲームをするでしょう?
4,5歳になったら、
モンスターや鬼をやっつけるゲームをしてるんですよねえ。
失敗したら、主人公として動かしている
自分の分身であるキャラクターがリセットできて、
やりなおせるんですよねえ。
保護者さんですら、
もうそういった、
ロールプレイングゲームに馴染んでおとなになっていますし、
なかなか、自宅で看取ったり、「死」に向き合う場面もなくて、
ますます、
「しんだらどうなるの?」
が遠くなっている気がします。
この絵本を読んだときにびっくりしましたが、
たしかに、
こういった直接的に問う絵本がないと、
親子とも、「生」のすぐ横に「死」があることを
なかなか気づきにくいかもねえ、
なんて思った1冊でした。
イラストがまた、キラキラ、光を感じる
健康的な男の子のイラストだから、
テキストのどっしりとしたテーマがより届く気がしましたよ。