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1月1日から毎日1回投稿中

   ~ 小説 ~
~【彼女との人生】(13)
  自分の事打ち明ける~
(ネタの構成)
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5月23日投稿の続き

登場人物
俺(私)=鴻上慎也
かをり=宮園かをり
かをりの弟=宮園公正
かをりの母親=宮園早希
小学4年まで幼なじみ=椎名龍
父=鴻上慎二
  客船で仕事(家にほぼいない)
母=鴻上愛
  病で療養するも昨年に他界
ママ=小山田志乃
   育った施設地主(3年前他界)
祖父=鴻上慎太郎
   元商社の会長(5年前他界)


(前回の終わり)

話があっちへ行ったりこっちへ来たり
している私の話を
早希さんは黙って頷きながら聴いてる


【自分の事】

「ママからの約束でもあり、約束という

か試合しているところが見たいと言って

いたのです」

「そして今でもテニスを続けています」

「自分もテニスは好きでテニスクラブを

手伝いながら練習場所として自由に使

わせて頂いてます」


早希さんが

「練習大変ね」

俺は

「天国のママに認めてもらえるような

恥ずかしいけれども、個人戦での成績

を残すのが目標です」

「実現するのは大変ですが、クラブには

レッスンプロもいますし、わたしも

クラブのレッスンに手伝いとして入り

そこには元国体の選手もきます」

「平日は、火水木が9時くらいまで」

「土日は日中10時から3時くらい」

「レッスンの日程はこんな感じ」

「それ以外が自由に練習できる時間で

あり、自分の時間になります」

「生まれてからの話はこれくらいで」


かをりがコーヒーと

チョコカップケーキを持ってきた

「普段の生活に関して話しますと」

早希さんは黙って聞いていた


「父が船に乗っているのであまり帰って

は来ません」

「ですから施設のママの妹さんが保護者

みたいな感じで見守ってくれてます」

「家政婦の会社の小山田美佳さんです」

「丘の上の家には一人で住んで居る

かたちに成っていますが家政婦さんが

来てくれて面倒を見てくれています」

「いつも来てくれるのが斎藤さん」

「月水金曜日です」

「このチョコカップケーキも斎藤さんの

手作りです」

「母のレシピを忠実に再現してくれたり

とても優しく頼りになる人です」


早希さんは

「このケーキ美味しいわ」

「レシピ教えてほしいわね」

俺は

「私も作れるので、レシピはいつでも

聞いてください」

「鴻上君は料理も出来るの」

「はい、母が入院中の時には自炊してい

ましたから」

「かをりも見習ってほしいわね」

「でも普段の食事は、いまは斎藤さん

が作り置きしてくれているのであまり

しませんけど 」


公正がお風呂から上がってきてこちら

をうかがいながら視線を外し恐らく

自分の部屋に向かったのだろう

気を利かせてくれたようだ


早希さんが

「そんなに忙しいんだったら勉強とか

どうしてるの?」

「大変じゃない」

「私は母が入院している頃には、

あまり友達はできなかったので

小学5年の時から中学生で学ぶところ

を勉強してましたから」

「だから中学の時に高校で習うこと

を大体は勉強していますので多分

大丈夫です」

「勉強方法もノートのまとめ方も

自己流ですが時間をかけずに行えて

いると思ってるので」

早希さん

「偉いはね、かをりも見習ってほしい」

かをりの方をみて言った


俺は

「学生だから勉強が最も優先するべき

ことだと思っています」

「今日ノートを持ってきたのは、

かをりさんに休んでいた間の内容を

伝えたいというのもあったのですが」

「ほかにも理由があって来ました」

「高校では授業の項目も多く範囲も

広いから勉強も工夫がいると思っていて

かをりさんと話をしていて

得手不得手があり、そこを補いあい

高めあえればと思っています」

「手探りには、なるんですけど」

「早希さん」

「まずは、かをりさんと共有する

時間を持つことを許していただけ

ませんか」

早希さんは

「いいんじゃない」

「でも場所はどうするの?」

俺は

「私がテニスクラブのない月曜日と

金曜日にはテニスクラブの練習施設に

スペースがあるので、あとは学校の

図書室ですかね」

「土日は病院横の公園近くの図書館

にしようかと考えてます」

早希さんが

「家に来てもいいわよ」

俺は

「ありがとうございます」

かをりの方をちらりと見ながら言う

少し冷たくなったコーヒーを

口に含み苦みを感じる

心の中で思う

きれいごとばかり言って歯がゆい

本当は「付き合っていいですか」

「付き合うことを許してくれますか」

そう言いたかった

そう言うつもりだった




このあと

どうなるのか

つづく



~【彼女との人生】(13)
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