中北浩爾さんの反論文が「現代の理論」デジタルに掲載された。
意を尽くした丁寧な反論文だ。
共産党がこれにどう再反論するか、注目される。
もし沈黙するなら、再反論できないことを意味するだろう。
中北浩爾さんの反論文には、主要な点ではないが、私も気になる点が2点指摘されている。
一点目は、「1.日米安保条約の容認について」で触れられている「志位議長が野党連合政権では自衛隊とともに日米安保条約を活用するという方針を打ち出し、同条約の第5条に基づき在日米軍に出動を要請する可能性に言及したことに(注10)、全く触れていない。」点だ。
私もこの点が前々から気になっていた。
松竹伸幸さんが「シン・日本共産党宣言」で言及し、また中北浩爾さんが反論文で触れたこの点について、共産党は極力触れないようにしている。
よほど嫌なようだ。
できれば無かったことにしたいのではないか。
二点目は、「2.民主集中制の組織原則について」で触れられている「(引用者注:民主集中制が)「わが党独自のもの」と断言するのは明らかに誤りである。」という点だ。
中北浩爾さんの反論文は、共産党の谷本論文にたいする指摘だが、私の記憶では田村智子さんも(副委員長時代に)どこかで同じような発言をしたと思う。
民主集中制は「わが党独自のもの」とは、いまの共産党の共通認識ではないだろうか。
だとすると、恐ろしくゆがんだ歴史認識だ。
一点目も二点目も、およそ科学の党である共産党にはふさわしくない。
そう思いたくはないが、どちらも歴史修正主義と疑われても仕方がない。