「必殺仕事人2012」 感想  | 何事も楽しく、過ごしたい。

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(あらすじ)
南町奉行所見廻り同心・渡辺小五郎(東山紀之)は、新たに設けられた本町奉行所に転属となった。
新しい上司・増村倫太郎(生瀬勝久)から命じられたのは、遊郭の裏座敷に設けられた違法の賭場への潜入捜査だった。

女郎買いの客になりすまし、にぎわう賭場に潜り込んだ小五郎の前に、弥勒坊燕斎(高橋英樹)なる男が現れる。
燕斎は、「世の為、人の為」を合言葉に、幕府の普請改役から次々と大きな土木仕事を受注していると噂の「塵尽会」の棟梁だ。
燕斎の姿を見た小五郎は驚きを隠せない。
というのも、燕斎は、常磐津の師匠をしている花御殿のお菊(和久井映見)の知り合いの男だったからだ。
お菊が「仙吉さん」と呼んで慕う燕斎だが、小五郎は、只者ではない雰囲気を感じ取ったのだった。

一方、小五郎とともに賭場を訪れた 経師屋の涼次(松岡昌宏)は、
ひょんなことから家出娘のお春(剛力彩芽)を助けて一緒に逃げるはめに。
やんちゃなお春の扱いに困った涼次は、仕立て屋の匳(田中聖)にお春を押しつけてしまう。
好きな人に会いたい一心で家出したというお春にほだされた匳は、
しばらく家に置いてやろうと決めるのだが、これが思わぬ結果を招くことになり……。

そんな矢先、小五郎は、増村からまたも潜入捜査を命じられる。
その先は、なんとあの「塵尽会」だった!



今回の見物は、なんといっても高橋秀樹が
俳優生活50年で初の悪役を演じていることだ。
さすが、長年時代劇の主役を張ってきただけあって
その、存在感たるや、やっぱり凄いものがあります。

その、セリフ回し、所作、目の配り方など
もう、これぞ時代劇の悪役。


しかし、今回の必殺スペシャル、残念なところが多い。
通常なら1時間枠ですみそうな脚本を2時間に引き伸ばした感じ。

悪役に高橋秀樹、永澤俊矢、六平直政と持ってきたが
役者にたよりすぎな感がある。

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せっかくの2時間なので、高橋秀樹が双子の2役だが、
そのふたりがなぜ争ったのか、わからない。
渡辺小五郎(東山紀之)が双子とごまかしたのを怪しみもせず、
その後、双子とか言っているのも伏線だろうとは気がついたが、
争った理由がわからないため、最後に双子でしたと明かされても、
いまいちピンとこない。

また、花御殿のお菊(和久井映見)との関係がいまいちわからない。
なんとなく夫婦になるように仕向けたが、
そこのあたりもあとはスルー。
このあたりの脚本、演出は?である。

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そして、見慣れた高橋さんの演技も悪役そのものなのだが、
なぜかそんなに悪く見えないという部分もあった。
おそらくこれまでの先入観だろう。
これなら、最初から悪役と明かさずに最後は実は悪いやつだったと
したほうが観ている側としては面白かったのでは。
高橋なら悪役はないという先入観があるのだから。


仕立て屋の匳(田中聖)がつかまりながら、あっさりと助かり、
しかお春(剛力彩芽)と与平(満島真之介)もひきつれていたのは、
少しその件がなかったので、少し違和感があった。

今回は和久井映見さんはなにをしていたのか、よくわからない。
もっと活躍の場があってもよかったのでは。

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ヒロイン役の剛力彩芽さん、時代劇の役がいまひとつ似合ってないような。
あまりに若いと時代劇は難しいのか。
現代劇ではなかなかだったのに、ちょっと残念。
好演していただけに...。
ただ、彼女の入浴シーンがあったが、まったく色気のない入浴シーンでした。

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そして、終盤で、果たせぬ恨みを仕事人に託して息絶えてしまったお春(剛力彩芽)が、
その直後のCMで明るく演技していたのは・・・ちょっと、「う~ん」というでしたが。
CMのタイミングが悪すぎるよ。

与平役の満島真之介、初めて見たが、満島ひかりの弟なんだということくらい。

そして、東山紀之さんは、藤田まことの中村主水のいない
空白を埋めて余りあるものがあったと思う。
マフラーや殺陣で脇差を使うなど、中村主水を受け継いでいるといえる。

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時代劇を引き継いでいけるだけの俳優がほとんどいなくなった今、
本当に貴重な存在だ。
もともと若いころから時代劇の似合う役者さんだったところに、
年齢に相応な落ち着きと雰囲気が出てきたように感じます。

また、ぜひとも連ドラで復活してほしい時代劇です。