
近頃ではパソコンや家庭用のプリンター、オンデマンドのプリントショップも登場し、印刷物を手軽に制作することができるようになりました。
美大や、専門学校、また、印刷物を制作する現場で、グラフィックデザインの知識やスキルを身につけていなくても、そういった機会はこれから、ますます増えていくでしょう。
しかし、ビジュアルによるコミュニケーションをよりよく行うには、やはり、グラフィックデザインを見たり、制作したりする力を身につけることが不可欠だと考えます。
そして、デザインのなかでもコミュニケーションに欠かせないのが、名刺や、はがきなどを始めとする、冊子のデザインではないでしょうか。
文字を並べたり、余白をとったりして読みやすい紙面をデザインすることは、センスというよりも方法です。いくつかの約束事を守って制作すれば、読みやすい紙面作りはそれほど難しいことではありません。
わたしの知人に、はがきを自分で制作した人がいました。小さなものなので、社内でということになったそうです。原稿も写真もよくできていました。が、内容とは裏腹に思ったような反応がありません。
そこで相談を受け、手元にあった雑誌をもとに文字の扱いについて20分ほど話をしました。彼は、なれない作業だということもあり、修正するのに40分ほどかかりました。
しかし、手間をかけただけの甲斐があってか、反応がこれまでの2倍になったそうです。その後も、何度か相談にのりましたが、今では小冊子くらいならひとりで制作するまでになりました。
ところで、グラフィックデザインを学ぼうとしたときに、たとえば、書店に行っても専門書から作例集、年鑑誌、月刊誌に至るまで関連する書籍は数多くあります。
また、デザインはパソコン以前から、印刷技術は15世紀の中頃からあり、用語もそれなりにあって0から学び始めるのは一仕事だと思います。
デザインを身につける方法のひとつは、身の周りにあるよいデザインを見つけることです。これまでは、たとえば、雑誌なら記事しか読まなかったものを罫線の引き方や、アイコンといった周りのデザインにも気を留めること。こういったことを習慣にすることです。
もうひとつは、制作したものを分かる人に見てもらう。デザインを学ぶために時間をさくことも容易ではないので、今、必要なものを制作し添削指導を受けるという方法です。自分で一度じっくり考え制作したものから学びます。
これを繰り返すことにより、デザインの見方や制作の仕方が分かるようになります。
本講座でひとりでも多くの方が、グラフィックデザインと上手く関わることができるようになること、さらには、ビジュアルによるコミュニケーションを深め、業績をいっそう伸ばされることを願います。

