中道(ちゅうどう)とは
仏教で言う中道とは、執着を離れ、正しい判断をし、行動することです。
「中」という漢字には、『あたる」とか「正しい」という意味があります。
中道の具体的な実践の道が八正道(はっしょうどう)です。
お釈迦さまは、長い間苦行を続けても、どうしても悟りを開く事ができなかったといいます。
極端な苦行のせいで生死の境をさまよった時、ある少女が作ってくれたミルクがゆを口にして、ようやく自分の間違いに気づきます。
物事に執着し、正しい判断・行動ができていなかった、と。
そしてその後、瞑想によってゆるぎない悟りの境地に達することができたのでした。
一色一香無非中道
いっしきいっこうもちゅうどうにあらざることなし
道端に咲く名もない花は、何に執着することなく、ただ自分の花を咲かせ、やがて散っていきます。
人の苦しみというのは、物事に執着するところから始まります。
かたより、こだわり、とらわれ。
そういった執着を離れ、中道の道を実践し、諸行無常と因縁の真理に気づくことができれば、心に安らぎが生まれ、苦しみはきっと消えてゆくはずです。
そして、その安らぎのあたたかい灯明は誰かの暗闇を照らすことができるかもしれません。