私の人生にとって、学校給食ほど運命を強く感じるものはありません。
私が五歳のときに母親がボートに狂い、小学校に入学する頃には家庭も完全に崩壊していました。
育児放棄もいいところで、両親は借金取りから逃げ回り、恐ろしい高利貸しから家の中を占拠されたこともあります。
夏場はそれほど辛くもなかったのですが、お腹をすかして寒さに震えていた時代のことは、今でも忘れることができませんね。
しかしながら「天は我を見捨てず」、私が小学校に入学する前年に「学校給食法」が制定され、入学すると同時に学校給食が始まりました。
それで、主題の「おかわりしていた給食メニュー」ですが、子供ながらも自分だけが給食費を払っていないという負い目を感じていた私は、みんなが不味いといって手を出さない「脱脂粉乳」を毎日何杯もおかわりして飲んでいたおかげで、身長がぐんぐん伸びはじめ、四年生になった頃にはクラスで一番大きくなりましたね。
身長がお金では買えないことを思えば、運命の女神に心から感謝をしたい人生でした。