よう知られてるけど、浪花大学医学部第一外科の教授職への昇格をめぐるドロドロ劇。出世と野心に満たされた男とこの男の出世に自身の立場や出世がかかってる輩。派閥争いとどっちの派閥からも「いただいとく」男も。そんな野心とは無縁で良心ある医師であろうとする少数の人たち。財前五郎、憎たらしいで。せやけど、どこの会社にもおりそうやな。言うたら悪いけど、所詮サラリーマンやないか。

大阪駅周辺。歩道橋に中央郵便局。時代はちゃうけど、毎日のようにウロウロしてたな。ホンマになつかしいわ。丼池商店街、戎橋筋……。財前の愛人が住むアパートは「あみだ池荘」。

ときどき流れてるんはブラームスの4番やな。そんなことはクレジットのどこにも書いてへんけど。

「北の新地」が「Kitano」、「息を止めて」が「Inhale」、「長堀川」が「Yodogawa」、「噴門がん」が「pancreatic cancer」になっとる。「がんの転移」が「transfer of the cancer cells」。医者の発言やのに、なんで「metastasis」とせんかったんやろ?医療とか医学の言葉に接したことない誰かが作ったんやろな。他にも、「こうの(人名)」が「Kawano」になってたり、全然ちゃう名前になってたりする。英語字幕は無視せんとあかんな。誰も見てへんとは思うけど。いままで見た日本映画の英語字幕、どれもこれもどうしようもないんはなんでや。情けないで、ホンマに。