原作は小松左京。出演は草刈正雄、Bo Svenson、Silvia Hussey、George Kennedy、夏木勲、千葉真一、渡瀬恒彦、多岐川裕美、緒形拳、丘みつ子など。

1982年、米ソ対立が深まっていた時代。アメリカで作り出されたウイルス「MM88」が軍によって細菌兵器となる。しかし、そのウイルスは盗まれ、東ドイツにあった。奪還に成功したアメリカの工作員たちだったが、ウイルスとともに彼らを乗せた小型機はアルプスに激突する。気温華氏0度以上なら増殖を急加速するこのウイルスは世界に広がり、人類はほぼ死滅する。華氏0度以下で暮らす南極の越冬隊を除いて。

対ソ超強硬派の米軍の統合参謀本部議長は大統領の死後、ARS(自動報復システム)を独断で作動させる。一方、南極に残ったの隊員は男855人と女8人。人類の滅亡を防ぐため、女性隊員は「the most important natural resource」となるのだった。しかし、実際には他にも生存者はあった。南極近くを航行していたソ連の原潜が上陸許可を求めてきたのだ。乗組員の体調悪化が理由だったが、その原因はウイルス感染だった。各基地の代表で構成される南極会議は上陸を拒否するが、強行しようとしたこの原潜は、また近くにいたイギリス原潜よって撃沈される。感染者のいないイギリス原潜は上陸を許可される。原潜が爆発すれば放射能汚染が発生するはずだが、そこは語られない。

また別の問題が持ち上がる。吉住隊員が個人的に行った予測によると1カ月以内にワシントンDC近郊で大地震が発生する可能性が高いという。地震を核爆発と誤認してARSがICBMを発射させる危険があるのだ。発射されれば同様の報復システムを持つソ連からもミサイルが発射されることになる。アメリカの南極基地もミサイルの射程内である。カーター少佐と吉住はARSを無効にするため、南極からワシントンDCに向かう……。

感染拡大当初、「かぜかインフルエンザかと思っていたら、あっという間に肺炎になって……」なんてセリフを聞くと、世界が新型コロナウイルスを経験した後だけに感染拡大による人類滅亡が絵空事ではないと感じてしまう。ということは、「日本沈没」も……。

公開されたのは1980年。製作費は20億円だった。 2010年の日活ロマンポルノ復活版企画の作品あたり製作費は1500万円らしい(Wikipedia)。

夏木勲と(セリフは少ないけど)千葉真一の英語発音は十分だと思う。渡瀬恒彦はカタカナ発音。草刈正雄は「L」発音に難点。