老中堀田からの推挙もあって絵師の狩野春賀から日光東照宮の彩色修理を依頼された浮世絵師とその弟子たち、そして遊女の物語。一部は史実に基づいているみたい。

彩色修理を見事にやり遂げた浮世絵師の宮川長春と弟子たちだったが、堀田の住居に描いた牡丹の絵を唐風の墨絵を踏襲する狩野に酷評される。長春は自らを日本絵師、その絵を日本流だと主張し、堀田は狩野に同意することなく絵の出来栄えを称賛する。

面子を失った春賀は長春に手間賃さえ払わず、抗議する長春は春賀の弟子たちに殴り殺される。

もっと大作になってもよかった映画だと思うが、3年ほど経って倒産することになる大映にそんな力はもうなかったのかもしれない。堀田役、春賀役、長春役、春賀の弟子の賀慶役(茂山千之丞)以外は素人さの残る演技で、音楽も安っぽい。