言うまでもないことやけど、ベトナムは共産党の一党独裁や。政府は共産党の下にある。中華人民共和国と同じ権力の構図やな。

数週間前かな、突然現れて施しを得ながら行脚を始めた坊さんがおったんや。どういうわけか、この坊さんに共感していっしょに歩き始めた人たちがぎょうさんおった。おとといやったと思うけど、この坊さんが「自発的に」行脚をやめたと報じられた。

「非公認坊主」やったということで政府の宗教当局が止めさせたというのが事実らしい。いっしょに歩いた人の中に熱中症で亡くなった人がおったことが当局が言う理由のひとつ。なんでか知らんけど、この坊さんがベトナム国民としての身分証明を持ってなかったこともまた理由。

仏教徒のT女史に「共産主義の理論上、宗教は存在してはいけない」と言うと、彼女はそれ以上言うなとばかりに口に人差し指をあてたんや。

日本人が大好きなシンガポールも政治体制は違ごうても、よう似たもんや。もう15年ぐらい前のことやろか。ジュ―チアット(Joo Chiat)という地区はプラナカンの伝統的な家屋が残る地域やったんやけど、違法なバーがはびこるようになって風紀も乱れてしもた。この地区選出の国会議員にはシンガポールの二代目首相のゴー・チョクトンがいたんや。そんなことをE嬢に言うてたら、彼女は「シーッ」と話を遮ったんや。

数年後、これは日本でも報じられたそうやけど、「ミーポック」の小さな店を引き継いだ日本人家族を取材する地元テレビ局の人たちに通訳として同行したんや。この店が納品している日本人学校に行ったときのこと。生徒たちが思い思いの服装でいることをうらやましげに言う人がいたので、「PAP」と即座に答えると、「シーッ」。

「PAP(人民行動党)」はシンガポール独立以来、ずっと与党の立場にある政党で、清廉潔白を強調するために白シャツに白ズボンというのが公式行事での服装や。公立学校のなかには制服がこれと同じなんがあるんやな。

日本の総理大臣、日頃から「アホ」「バカ」「嘘つき」と呼ばれてもがまんや。シンガポールは首相が政敵を名誉棄損で訴えて破産させる国や。この前まで首相やったリー・シェンロンは一般人まで訴えとる。で、裁判所は有罪の判決を下すんや。