15日午前。熱は37度と37.5度の間ぐらい。
何度以上になれば「熱がある」と判断するのかは平熱にもよるから一概に言えるものではないが、年中気温が高い東南アジアでは37.5度が基準かもしれない。重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行したとき、シンガポールでは体温が37.5度より高ければ出勤しないようになんて言われていた。
この日の血液検査で血小板の値は91だった。前日の数値だった97より低下しているのだが、医師は「あんた、OK。もし悪くなったら、また来て」だった。ホンマにこれでええのかいな……。医療機関にとって、デング熱の患者なんて何もめずらしいことではないのだろう。幸いなことに、症状が急に悪化することはなかった。

翌16日、熱は37度前後。下がり続けて17日には36.5度にもなっていなかった。
デング熱感染の症状には、最初から最後まで「ちょっとかぜ気味」だけな場合もあるらしいが、重症化しなかったとは言え、自分の場合はそうはいかなかった。典型的な症状には、激しい頭痛と書いてあったりするが、頭痛はなかった。咳込むことは書かれてなかったりするが、咳込みと倦怠感は本当につらかった。普段、体重を気にすることはないが、この1週間で2キロ減った。
腹立たしいことに、うなされている間も蚊に刺されていたのである。バカにされている気分。感染者から吸血した蚊はまた別の人間に狙いを定める。こうやって感染が広がるのだ。