3月14日の午前、3回目の血液検査に行った。
血小板の数値が97まで上昇しており、症状が改善していることを示していた。この時点で体温は37.5度前後で、高熱と呼べないほどになっていた。
しかし、症状が劇的に悪化する可能性はまだあって、まったく安心できる状態ではなかった。実際、うなされ、また激しく咳込んで、夜間はまったく眠れなかったのだ。毎日、長い長い夜だった。昼間は咳込むことが比較的少なかったので、睡眠は血液検査を終えてうちに戻ってからの数時間だった。
この間、看病してくれたT女史は、体力をつけさせようと「これ食え、これも食え」とばかりに食事を用意してくれたりしたのだが、食べられるわけがない。食欲はゼロだったと言っても言い過ぎではない。もちろん、彼女の善意を理解できなかったわけではないが、ことに耳元で言われたりすると、その声を聞くこと自体がつらく、「Shhhhh!!」「No!!」と叫んだのだった。
どうせなら、おいしい漬物でお茶漬けが食べたいと何度か思ったりしたが、望んでも仕方ないことだった。