3泊したのだが、何をして過ごしていたかと言えば、何もしとらんのだ。強いて言えば周りを散歩して、昼寝して、飯を食わせてもらっていたということか。

そして散歩だが、う~んと唸らされることは多かった。まず、その自然。街と反対方向の道を行けば、そこは大きな川であって、それに沿って歩けるようになっている。

庭では多くの草花が育てられ、蜜に誘われてやって来る蝶の姿もアゲハ、白、黄色と多い。まったく子どもに戻った気分がしたのだ。ベトナム人の花好きについては、近藤紘一もどこかでふれていたが、まさにそうだと思う。それは町中の建物の上階でも、バルコニーに花が見えたりすることでも証明されている。また一応、網で囲まれてはいるがニワトリ、アヒル、七面鳥は放し飼いに近い。

どこからどこまでが誰の庭なのかわからんのだが、きっと一族の土地ということかなと思う。仏像なのかキリスト像なのかわからぬものもあったが、それが何なのか不明のままだった。また、土まんじゅうもいくつか並んでいた。誰の墓なのか、それも不明。

豪邸の真横にある掘っ立て小屋からはモーターらしき音が聞こえたりしていて、いったい何のための場所かと思っていたら、そこはISO規格などお構いなしの製麺所だった。