ウェブサイト(https://www.nhk.or.jp/kokokoza/rekishisougou/contents/resume/resume_0000000545.html)について、監修者である東京都立青山高等学校の角田展子教諭におたずねしたい。高校生に何をどう伝えるかという問題もありますが、このウェブサイトに掲載されている内容はどのような資料に裏打ちされているのか疑問に思います。

ベトナム戦争を「冷戦構造の中の代理戦争」と述べておられますが、南北に分断されていたベトナムのそれぞれが米ソの「代理戦争」を行っていたのでしょうか。五四年のジュネーブ協定で「一時的に」分断された際、北ベトナム側による分断への抵抗を押し切ったのは確か中国の周恩来首相でした。

南北ベトナムに「代理」であるという意識がどれだけあったのでしょうか。国の統一のために得られる支援ならどこからでも得たいということではなかったと思います。

 代理戦争というのは米ソの覇権争いの一つの形態であって、戦争の真っただ中にある南北ベトナムにとっては「とにかく武器をくれ」ということだったのかもしれません。また、ソ連と中国との間にはすでに対立が見えていました。ベトナム戦争後のベトナムによるクメール・ルージュ駆逐や中越戦争を見れば、「冷戦構造の中の代理戦争」などと単純に表現できないように思いますが。