時代と人生 特 夜間定時制高校卒の同級生3人集合 その後 | 5円玉持って岡南神社(八十路を生きる)

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車に乗れなくなった。歩くしかない。歩き始めはまず岡南神社。そこからはあちこち。感じたまま、思ったまま。子供の作文です。

9月16日 岩田さん宅でいろいろ話したり、岩田さん整理の当時の資料を見せてもらってから、あれこれ気が付いたり、考えることがあった。

忠さんが当時の教科書の定価に目をつけ、さらに当時の給料の話に広がった。

家に帰って現在の教科書の定価を調べてみると、ほぼ当時の10倍になっている。岩田さんの日記にも当時の色々な物の値段が書かれている。全体的な物価の動向も調べてみたいが、まだ出来ていない。

給料についても個人的な昇給状況岩田さんがきちんと整理されていたからわかるが、全体的な状況も知りたくなった。

 

それに関連して、小熊英二さん「日本社会のしくみ」という本を見つけた。

日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 (講談社現代新書) [ 小熊 英二 ]

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要点は

○日本社会は、「大企業型」「地元型」「残余型」の三つの類型によってできている。

 

「大企業型」とは、大学を出て大企業や官庁に雇われ、「正社員・終身雇用」の人生をすごす人たちと、その家族。

「地元型」とは、地元から離れない生き方である。地元の中学や高校に行ったあと、職業に就く。職業は、農業、自営業、地方公務員、建設業、地場産業など、その地方にあるものである。「地元型」「大企業型」に比べて経済力では劣るが、政治力がある。

「残余型」とは、長期雇用はされていないが、地域に足場があるわけでもない人々、都市部の非正規労働者が典型。

 

◎その比率は、

「大企業型」(26%)、「地元型」(36%)、「残余型」(38%)と推定。

「地元型」の自営業が減り、非正規雇用が増えている。正社員はさほど減少していない。

 

自営業・家族労働者 1984年1500万人ぐらい→2018年700万人ぐらい(ほぼ半分) 
非正規雇用 1984年700万人ぐらい→2018年2000万人ぐらい(ほぼ3倍)
 
自分たちの人生に照らし合わせてみると、夜間j定時制高校時代は「残余型」だったと言える。「非正規雇用」という言葉は無く、臨時工・季節工という言葉はあった。それらの人々も仕事が終われば地元に帰る「地元型」だった。戦後すぐには「ニコヨン」という言葉があった。日給240円の日雇労働者である。その言葉も朝鮮戦争後の経済復興により言われなくなった。
 
自分たち3人及び同世代(金の卵世代)の若者達(団塊の世代あたりまで)は、その後退職まで高度経済成長の波に乗れ、終身雇用・年功序列賃金の人生が送れた人が多い。
 
見方を変えれば、アメリカや西ヨーロッパに比べて、賃金水準の低い労働者(若いほど低賃金)が作る相対的に安い商品が、西側世界(特にアメリカ)及び国内に良く売れた。(最初は衣料など軽工業製品、コンビナート形成頃から鉄鋼・造船・機械・電機・自動車・化学製品など重化学工業製品)。日本経済は右肩上がりだった。それが「終身雇用・年功序列賃金」を可能にした。
 
1989年(平成元年)「ベルリンの壁崩壊」「マルタ会談(冷戦終結)」一変する。
東側の低賃金労働者による製品が、世界に浸透してくるようになったからである。(特に中国)(西側ではあったがベトナム戦争後は、韓国・東南アジアの国々の安い労働力製品
 
為替の状況にもよるが、中国の賃金水準が日本と差が小さくなるか、アメリカのマイクロソフト・アップル・グーグルなどのように、インターネットという世界的に大きな影響を与える新テクノロジーの開発が無ければ日本経済の停滞はしばらく続かざるを得ないように思える大塚家具と「お値段以上」のニトリの関係に似ている?)
日本の若者、頑張れ!
だからどうした。それがどうした。
この本がまだ読みきれて居ない。更に現在、岩田さんの日記にのめり込んでいる。全部読むのに相当な日数が必要のようだ。(自分の当時と重ね合わせたり、その時代のことを調べたりしたくなるから)